彼はこうして出会いました
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何故だか解らないが、この子だけ戦闘慣れしてる。
まだ怖がっている様にも見えるが、スイッチのタイミングは完璧だった。
「俺が前に出る!」
そこからは息を吹き返した様に全員の動きが良くなり、麻痺した蟷螂は男達が倒し。
女の子とのスイッチも問題なく成功して、全ての蟷螂を麻痺状態にして倒し終えた。
『やったーっ!!!!』
突然男達四人から歓声が上がり、振り返るとそれぞれが互いの健闘を称えていた。
…………まるでフロアボスでも倒したかの様な喜び様は、攻略組では絶対に見る事の無い光景だった。
だが、あまりにも酷過ぎる彼等の戦い方と一人座り込む女の子、その達成感に俺は何の共感も持てなかった。
彼等の立ち回りは最悪だ、攻撃力の高い武器も、防御力の高い防具も、PTの人数も、何一つ有効に活用できてない。
アルゴが発行した新聞や道具屋で無料配布している初心者ガイドブックを読んでいないのだろうか?
良く此処まで生き残れたものだと怒りすら感じてしまう。一体彼等のパーティーは何なんだ?
今回は誰一人として欠ける事は無かったが、こんな狩り方をしていたら近い将来全滅してしまうだろう。
しかし気になる事もある。この槍使いの女の子だ。
戦闘中は気付かなかったが俺の動きにしっかり合わせてスイッチを仕掛けていた。
まるで俺と同じスピード重視のプレイヤーと組んだ事がある様な動きだった。
…………仮説を立てるとすれば、このギルドにはもう一人。
いや、複数の高レベルプレイヤーが居て、今は不在なのかもしれない。
「ありがとう…………もう何度も駄目かと思ったけど……貴方のおかげで助かりました」
槍使いの女の子が涙を零しながらお礼を言ってくる。
他のメンバーは気が抜けたのか座り込んだまま立ち上がる様子も無い。
「いや、俺は偶々通りかかっただけで――――君がギルドリーダーかな? もう少し戦い方は変えた方が良いよ?」
「あ、私がリーダーじゃなくて…………ケイタ、こっちに来て――――彼がリーダーだから」
「ありがとうございます、助かりました。あ、俺はこのギルド、月夜の黒猫団のリーダーでケイタって言います」
意外にもリーダーを名乗ったのは女の子ではなく、棍使いの男だった。
何故彼がリーダーなのだろうか? …………このパーティーの謎が更に深まった。
「キリト、ソロだ」
「ソロでこの狩場に来れるんですか、凄いですね」
「効率は悪いけどな、そっちこそ、こんな効率の悪い狩場で何をしてたんだ?」
ケイタは暫く言い淀んだ後でパーティーの実情を話し始めた。
俺がギルドメンバーではない為、詳しい話は伏せられたが、
とある攻
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