狩りに行こうぜ!C
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…」
地面に刺した剣を支えにしているため手を伸ばせる範囲は非常に狭い。目一杯伸ばしてもユカが通るであろう経路には手が届かない
「くそっ、ユカ!」
「ばっ、バカじゃないの!?リクヤまで死んだら余裕が無くなるのよ?」
リクヤは安全な足場を放棄して横を抜けようとしていたユカに飛び付き、抱き締める
「バカでもいい! ユカが死ぬのをただ見てるだけなんて俺にはできない!」
「リクヤ……」
二人一緒にズルズルとアマツガツチの方向へ滑っていく動きが突然止まる
「いい雰囲気のところ申し訳ないが、リクヤは余計なことしかしてないぞ?」
止まった原因。リクヤの襟首を掴んでいるのはリンだった
「お前がユカと一緒に滑ってこなければ俺が受けとめられたしな。助けに行くなら行くで剣の一本でも抜いてこればそれを地面に刺せば済む話だろう」
「……あ……」
「結局、そのせいで俺は少々無理せざるを得なかったわけだが……」
リンはユカの通ったであろう経路の真ん中にいた。そればリクヤが飛び付いたせいで経路が変わり、結果的に無理せざるを得なかったわけだ
「……ごめん」
「わかればよろしい。さて、一人ならともかく二人を抑えておくとそろそろ剣が地面から抜けそうだな。……リョウ!」
「なんだ?」
「リクヤを投げるから受け取ってくれないか?」
「おう、わかった」
リンたちがいる場所からリョウコウのいる場所へは少々距離があるが、投げればギリギリ届くだろう
「じゃあ、逝ってこい」
「なんか字が違う気が……」
浮かぬ顔をしながら飛んでいったリクヤはリョウコウに受けとめられ、無事に風をしのいでいる
「さて、ユカ」
「なに?」
「抱き締められて嬉しかったか?」
「っ?!り、リンには関係ないでしょ!」
瞬時に顔を赤らめるユカ
リンはニヤニヤとユカを見ている
「まあ、それはさておき一つ頼みたい」
「……なによ」
「次からで構わない。大竜巻中に投剣を投げてくれないか?」
「そういうことね。わかったわ」
風はアマツガツチに向かって吹いている。これが近くにいるプレイヤーを即死させる攻撃への前準備であることを考えると非常に迷惑だ
しかし、離れて攻撃のできる方法、しかも風の影響を受けやすいものだと逆に好都合である
なぜなら風によって加速し、威力が高まるのだから
「さてと……反撃といきますか」
僕だって彼女が欲しいんだ、とか叫びながらぐるぐる回っていた
もちろん誰も巻き込まれているわけがなかった
††††
それから十数分後。アマツガツチの体色はとっくに黒ずみ怒
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