投刃と少女
とあるβテスター、投擲する
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上がった体勢の亜人の王へ最大威力のソードスキルを叩き込む。
「せああっ!!」
「行っけえええぇぇぇっ!!」
細剣 単発刺突技《リニアー》
片手剣 ニ連撃技《バーチカル・アーク》
アスナの神速を誇る刺突が、コボルド王の脇腹を抉る。
それから僅かに遅れ、キリトの剣が右肩口から腹、そこから更に跳ね上げるようにして左肩口へと抜ける斬撃を見舞った。
「まだまだ〜!」
「グ、ガアアアアッ───」
胴をV字に切り裂かれ、苦し紛れに野太刀を振り上げようとしたコボルド王の手首に、嬉々とした声と共に振り下ろされた両手斧の刃が深々と食い込む。
力任せに振り払おうとするコボルド王だったが、どういう筋力値をしているのか、自分より遥かに小柄であるはずの少女の身体はビクともしない。
武器を持った腕を封じられ、身動きが取れなくなった亜人の王。
その視界の奥に、黒髪の剣士が剣を構えて突進してくるのが映り───
「はああぁぁぁっ!!」
次の瞬間。
ざしゅっ!という効果音と共に、光を纏った幅広の刃がコボルド王の胴に深々と突き刺さり、そのHPゲージを空にした。
亜人の王は暫くの間、剣を突き立てるキリトを睨めつけていたが、やがてその首から力が抜け、一拍の間を置いてポリゴン片へと姿を変える。
同時、戦線復帰したディアベルらと交戦中だったセンチネルも姿を消し、広間が静寂に包まれた。
誰もがボスのいた方向へ向き直り、ついさっきまでボスと戦っていたはずの四人の姿を視界に収めた、その瞬間。
【Congratulation!!】
安っぽい効果音と共に空中に表示された、たった一言が。
初のボス攻略戦が無事に終わったことを、激戦を戦い抜いた戦士達に告げるのだった───
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