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魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
Chapter-1 First story~Various encounter~
number-3 birth of magical girl lyrical NANOHA
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二人。


1分にも満たない時間であった。
恭也が先に折れ、木刀をしまい、美由希を担いで母屋の方へと戻っていく。
なのはは隅に置いておいた救急箱を持ってきて、燐夜の手当てを始める。


「……どうして…………来たんだ……」
「あれだけ眩しかったら分かるよ。それでね、ここに来てみたの。そしたら燐夜君が血だらけなんだもん。ビックリしたよ」



燐夜は黙って手当を受け入れる。
なのはは燐夜の傷を痛めないように慎重になりながら包帯を巻いていく。
なんだか妙に手馴れていた。
気になってなのはに聞いてみた。


「お母さんがお父さんの包帯を変えるのを手伝っていたの」


道理で手馴れていた。


      ◯


今、高町なのはは走っていた。
先ほどから頭に響く声。――――それは助けを求める声。
だからそれに答えるべく、夜の街を駆け抜ける。


《誰か、この声が聞こえていたら来てください!》


何処からか聞こえてくるわけでもなく、直接頭に語りかけてくるこの声。
この声が聞こえてくるのは何処からか。
なんとなくなのはは分かっていた。
今日の放課後、近道に使った公園の森の中で見つけたフェレットがおそらくなのはに語りかけていると思う。


なのははかけなしの体力を振り絞る。
足が痛い。息が出来ない。それでも走ってやってきたところは槇原動物病院。
だが、あたりに人の気配はなかった。
しかも病院のあちこちが崩れていた。
何が起こっているのだろうか。


――ドゴォ……


何処からか爆発音が聞こえてくる。
なのははそれに誘われるように音のする方へ向かった。


向かった先にはさっき助けたフェレットと何か黒い物体が浮いて向き合っていた。
黒いものはにやにや笑って動こうとしない。
その黒いものに向き合っていたフェレットはなのはを見ると駆けてなのはのもとへ向かい、黒いものから身を隠す様に陰に隠れた。


「よかった、来てくれた」
「……ふええ! フェレットが喋ったぁ!?」
「そんなことはどうでもいいから! これ持って!」


そう言って喋るフェレットはなのはに何か投げ渡した。
なのははそれを危うく落としそうになりながらも取った。
なのはが受け取ったものは赤い宝石のようなものだった。


「適合した……管理権限、新規利用者設定。よし、僕の後に続いて詠んで!」
「う、うん!」


なのははフェレットの言うことに従う。


「風は空に、星は天に」 《風は空に、星は天に》


「不屈の魂はこの胸に」 《不屈の魂はこの胸に》


「この手に魔法を!」 《この手に魔法を!》


「レイジングハート、セットアーップ!!」

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