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有栖キャロの小学校物語
第20話 魔導師がやって来ました………(後編)
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…」

そう返事をし、再びフェンリルと対面する。

「さてフェンリル、お前に話があるんだが………」
『何だ?』
「今の召喚師と手を切る気はないか?」
『何だと?』
「契約自体を解除することは出来ないが改ざんして内容を弄る事は出来る」
『………本当か?』
「出来る。………だが時間がかかる。それまではこちらに手を出さないで欲しい」
『だが、今の契約者に命令されれば拒否は出来んぞ』
「大丈夫、仲間がやってくれる」

そう言ってエクスは佐助と夏穂を見た。
2人は視線に気がつき、頷く。

『………分かった、だが我が攻撃しそうになれば遠慮なく攻撃しろ。上の少女ならそれも可能だろう』
「やはり気がついていたか」
『保険をかけるのは悪くない。だがそれに安心ししくじるなよ。我はそれほど弱くは無い』
「分かってるさ。………接続回路形成開始………」

そう言ってキーボードを高速で打ち始めるエクス。
すると佐助や夏穂にしたように小さな穴から糸が現れ、フェンリルと繋がる。

「くそっ………やはり召喚師の契約を改ざんするのは骨が折れる………」

舌打ちしつつ手を止めないエクス。

「これじゃとても間に合わん………出来るかどうか分からないが………接続回路複製………再度接続………」

更に小さな穴を出現させ、複数の糸が現れる。
そして全てがフェンリルと繋がった。

「くっ、このやはりこの情報量を俺が処理するのは………!!」
『お、おいエクス!!』
「黙れ、気が散る………!!」

エローシュの体で脂汗をかきながら動かす手を止めないエクス。

「ぐっ………何なんださっきからこの体術は………体が動かねえ………それにさっきより力が………」
「今度はさっきみたいにはさせないわ!佐助!!」
「準備は出来た。後は飲ませるだけ」

そう言って小さな小瓶を手に、ジランドへ近づく。

「ふざけるな、ここでしくじる訳にはいかないんだよ!!」

夏穂に固められている腕を気にせず無理やり動こうとするジランド。

「うそっ!?痛みで動けない筈なのに!!それじゃあ腕が折れるわよ!!」
「知ったことか!!ここまでやってしくじれないんだよ!!!」

血を吐くような叫びを開けた後、真白に固められていた腕を無視し、無理やりゆっくり立ち上がるジランド。

「させない!!」

そんなジランドの動きを止めようと佐助がワイヤー付きのクナイを投げジランドの足に突き刺さる。

「ぐっ!?うおおおおおおおお!!!」

それでも立ち上がったジランド。ジランドの左腕は無理やり動いた為、真逆な方向へ曲がってしまっていた。

「あああああああ!!」

立ち上がると同時に離れた夏穂に蹴りを入れるジランド。

「くぅ!?
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