閑話その二「今日のレイくん!」
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† †
「あれ? アーシアちゃん?」
「あっ、レイさん!」
商店街でアーシアちゃんと遭遇。こんなところででどうしたんでしょうね? しかも一人だし。
「どったの? こんなところで」
「イッセーさんのお母さまからお遣いを頼まれまして」
ポケットから財布と紙切れを取り出すアーシアちゃん。その顔にはいかにも私頑張ります! といった風に気合に満ちており、全身から活気が溢れているほどだ。
「へぇ、もしかして初めての?」
「はい! 初めてのお買い物です。普段は二人で行くのですが」
「ほうほう。アーシアちゃん初めてのお遣いかー」
んー、ここはついて行ってみようかな。なんか面白そうだし。
「じゃあ、僕も付き合ってあげる」
「本当ですか? では、お願いしますね」
安心しきった様子で嬉しそうに手を合わせるアーシアちゃんに僕も微笑む。
ということで、アーシアちゃんのお遣いに同行することとなった僕だが、まず何を買うのかな?
「何を頼まれたの?」
「えーとですね。……豚の豚肩を七五〇グラム、ニンジンと玉ねぎを四つ、ジャガイモを五つです!」
「ふむふむ、カレーでも作るのかな? じゃあまずは八百屋さんに行こうか」
「はい!」
ふと、重大なことに気が付いた。
「アーシアちゃん、バック持ってないの?」
「バックですか?」
首を傾げるアーシアちゃんに愕然とする。まさか、お買い物の必須アイテムを持っていないなんて……!
「ダメだよアーシアちゃん! バックはお買い物をする時には必須なんだよ? お買い物三原則でも【バック】、【財布】、【根性】とあるくらいなんだから! イッセーのママさんもいつも買い物をする時はバックを持ってきていたでしょ?」
「そ、そういえばそうでした……! どうしましょう!?」
あせあせと困った顔でパニックになるアーシアちゃん。仕方がないので懐からマイエコバックを取り出す。
「僕のバックを貸してあげるから、これ使って」
「ありがとうございます、レイさん! ところで、どこから取り出したんですか?」
僕のポケットは四次元空間になっているのですよ。
そうこうしているうちに八百屋さんに到着した。
「おや、アーシアちゃんじゃないかい! 今日は一人なのかい?」
「いえ、今日はレイさんと一緒です」
「おばちゃん、お久〜!」
僕の姿を目にした八百屋の田中おばちゃんが目を丸くし
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