第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第1話:一期一会
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している…
これは落ち着けなくなるのは当然だな。
食事の用意をしているネネも気付いたらしく、私に目配せをして微笑む。
暫くしてお風呂からリューラさんが上がり、食事の用意が出来たテーブルに近付いてくる。
「あの…暖かいお風呂…ありがとう…ございます」
「いえいえ…私は命を救われたのですから…このくらいは何でもありません」
恥ずかしがり屋な彼女の気分を解す為、戯けた感じで言い席に着く様促した。
彼女の服装は、私が帰りがけに購入した衣類と、腰には室内にも拘わらず愛用と思われる剣が…
見た事もない不思議な剣…
「大切な剣なのですか? 家の中では外しておいても大丈夫ですよ。盗んだりはしませんから…とは言え、見た事のない剣ですねぇ。詳しく見せて頂いても良いでしょうか?」
職業病なのだろうか? 不思議な武器を見ると心が躍る感じがする。
「………どうぞ」
最初は戸惑いがちだったが、私の事を…いや、私と家族の事を信用してくれたのだろう。
腰から外し恐る恐る手渡してくれた…だが視線は鋭く、剣から外さない。
見れば見る程不思議な剣だ…
リューラさんの様な少女が使うのに打って付けの軽さ…
細身の刀身だがその鋭さはかなりの物。
グリップ部分は可愛らしく羽があしらわれている。
「この剣はどうされたんですか?」
剣を鞘に戻し、リューラさんにお返しする。
そして手に入れた経緯を教えてもらおうと問いかけた。
「お父さんが…」
「お父上が?」
「お父さんが…以前にくれたの……お母さんと同じ騎士を目指してるから…」
「ほぅ…お母上は騎士殿ですか!? かなりお強いみたいですね。リューラさんの実力をみれば私でも判ります」
リューラさんは私の言葉を聞き嬉しそうに頷いた。
余程お母上の事を褒められたのが嬉しいのだろう…初めて笑顔を見せてもらえた。
「でもね…お父さんはもっと強いの! 強いし、優しいし、格好いいし、面白いし、凄い人なんだよ!」
どうやらご両親を慕っているみたいで、急に饒舌になり此処には居ないご両親を自慢し始めた。
「こ、このイヤリングもお父さんがプレゼントしてくれたし…」
そう言うとリューラさんは耳からエメラルドで出来たイヤリングを外し、私達に見せ自慢する。
うむ…武器ではないので詳しい事は解らないが、見た感じからして値打ちのありそうな代物だ…
「それにね、あの服…汚れちゃったけど洗濯してくれた洋服も、3日前の誕生日プレゼントでもらった服なのよ! 凄く可愛いでしょ! 私のお父さん、センスが良いのよ!」
あの服か…確かに可愛らしい服だが、それ以上に気になったのは、魔法への防御力が幾分ある事だ。
つまりあの服を着ていれば、普通の服を着ている時に受けるメラより、ダメージ
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