ALO:フェアリィ・ダンス〜両刃の剣と天駆ける龍〜
紅の翼をもつ飛龍
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めろよ…」
「フフフ…あはははは!!だ、だって、セモンったら…女物の装備着せられかけるんだもん!!」
「いうなよ…やっぱり追加料金払った方がよかったかな…」
そんなことをつぶやく。
セモンが女物の装備を買わされかけつつも、二人が購入した装備は、セモンが若草色と白を基調とした、前開きの和服のようなベスト。肩の部分は、じんべえ、というのだろうか、夏用の浴衣の様になっていて、切れ込みのところを網目のように止めてある。
武器は店で最も強力という刀。白銀の刀身をもつそれは、かつての愛剣、<草薙の剣><天叢雲剣>のようにずっしりとした手ごたえを感じさせてくれた。
コハクの武装は、SAO時代のものとよく似た騎士装。肩の出た青い服に、銀色の胸当て。肩の部分に銀色の装飾がついている。
武器はやはり店最強の両手用槍。どちらかというと戦国時代に使われたという《長槍》に近いだろうか。スピアよりも刃が長い。
「さてと。まずは誰か案内してくれる人を探したほうが…」
そこまで言いかけて、セモンは町が騒がしいということに気が付いた。
「ん?」
「何かあったのかしら」
広場に戻る道の途中で、かなりの数のプレイヤーとすれ違った。
「なんだ…?みんなこんなにあせって…」
そして広場。そこは…
無残にも、破壊しつくされていた。
「何だこれは…」
近くにいるプレイヤーに聞く。
「どうしたんだ。何があったんだ!?」
「も、モンスターだよ…町中に入ってくるなんて、あり得ないのに…!!」
「モンスター!?…一体…」
その時、ずどぉん!!という爆裂音がして、数名のシルフプレイヤーがふっとばされてきた。彼らは地面に激突すると同時にアバターを四散させ、小さな緑色の炎となった。
《エンドフレイム》だ。
ALOでは、アバターのHPが0になると、このように小さな炎が残る。これに蘇生アイテムなり魔法なりを使うことで、アバターを復活させることができるのだ。
そして彼らが吹き飛ばされてきた方には、どうやらそのモンスターがいるようだった。
しかし。
出現したモンスターは、セモンの予想を大きく上回った存在だった。
真紅の双翼。同じく真紅の長い竜尾。
両手には巨大な二本の大剣を握り、翼で少し浮いている。
その髪は漆黒。切れ長の目は、破壊本能しか宿していないように見えた。
その顔は――――誰よりもよく見知った顔の一つ。セモンがこの世界にやってきた理由の一つ。
「…ハザード」
ハザード。京崎、秋也。
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