丸投げか?
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<ルビスの塔>
「おい、ちょっと待て!」
「………ま、まだ何かあるのですかリュカ?」
怪訝そうな表情で魔法を遮るリュカに、不安いっぱいで尋ねるルビス。
「え、何お前…今、ルーラでどっかに行こうとした?1人でどっかに行こうとしましたか?」
「え、えぇ…聖なる守りも渡したし、今の私に出来る事はありませんし…聖なる祠へ帰ろうかと…そ、それが何か?」
彼女としては大魔王を倒した後に、リュカ達を元の世界へ返すの為に、祠に帰って失われた力を回復させようと思っていたのだが、リュカにはそれが気に入らない様だ。
「あ゙、何言ってんだお前…ふざけんな!僕等はこれから危険な敵陣へ乗り込むんだぞ!それなのにお前は安全な場所でのんびり過ごすのか!?」
面倒事を丸投げされた怒りか…自分だけ高みの見物をする事への不満か…リュカはまた強烈な怒気を発し、ルビスに詰め寄り怒鳴りつける。
「きゃぁ!」
ルビスはリュカの怒りに気圧され、思わず1歩後ずさり石像の時に奉られていた台座から転げ落ちた。
「あ、白だ…」
尻餅を付いて転んだルビスは、大股を広げた恰好で転がってしまい、それを見たウルフが思わず見た物を口に出してしまう。
「え?………きゃぁ!!」
慌てて股を閉じ両手で隠すルビス…その姿は殆ど普通の少女と変わらない。
(ポカリ!)
「あいた!」
「馬鹿者…見えたとしても見えてない様に振る舞え!」
リュカの拳骨が不肖の弟子の後頭部にヒットする。
「す、すんませんでした!」
後頭部を押さえ、慌てて大声で師匠に謝る弟子ウルフ…その姿はまるで体育会系だ!
そんなウルフは放置して、スッとルビスに近付き手を差し伸べ優しく抱き起こすリュカ。
「怒鳴ってすまなかった…それと訂正する。母さんに似ていると言ったが全然似てない。僕の母さんはたった1人で魔王の魔力を押さえ付けてたんだ…味方の居ない魔界で1人…安全な所に隠れることなく…自分の命を削ってまで魔王の力を押さえ込んだんだ!」
静かだが力強い声でリュカが語る…
「リュ、リュカ……しかし先程も申しましたが、私は力を失っており皆さんと共に戦う事など出来ないんです…どうかそれを判ってください」
アルル等と共に戦う事は現状の自分では出来ないと、涙ながらに語るルビス…
「ハァ〜…」
しかしリュカは大きな溜息を吐き、重い声で語り出す。
「戦うだけが全てではないだろう…敵を攻撃する事が出来なくても、後方から回復魔法や補助魔法での援護で戦闘に参加したり、移動中に荷物持ちとしてアルル達の負担を減らす事だって出来るだろ!」
「に、荷物持ち…ですか…!?」
「そうだよ!『アナタになら出来ます!』とか言って、面倒事を丸投げしないで『少しでも負担を減らせる様お手伝いします!』ってパーテ
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