第二十五話『静かなる怒り』
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
着替えが済んだスウェンは直ぐに第二グラウンドに到着。一夏とシャルルは未だ来ておらず、その5分後にようやく
「遅い!」
「「すいません!」」
二人は千冬に頭を下げ列の端に並ぶ。一夏の近くには凰とセシリアがおり何か話してるようだが、スウェンの位置は一夏達の反対側の列の端、しかも一番後ろだ。会話は当然聞こえない。スウェンはそれよりも気にあり、ある方向へ視線を向けている。それは列の一番前に居る灰色のISスーツを纏う銀色に長髪の少女。
スウェンはその少女に視線を向けていると、一夏達の方から聞きなれた音が鳴り響く。またかとスウェンはため息を吐きそちらを向く。千冬の出席簿の一撃に頭を抑えているのはセシリアと凰。呆れた表情のまま列の前に千冬は立ち
「では、本日から格闘及び射撃を含む実践訓練を開始する」
「「「はい!」」」
2組も合同していることもあり普段よりも大きな返事が返ってくる。
「さて、まずは戦闘を実演してもらおう。凰! オルコット! 専用機持ちならすぐに始められるだろう。前に出ろ」
と名指しされたセシリアと凰だがあからさまにやる気のない様子だ。そんな二人に近づく千冬に、二人は出席簿がまた来ると身構えたが何かを小声で二人に告げている。
「やはりここはイギリス代表候補生。わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」
「実力の違いを見せるいい機会だよねー。専用機持ちの!」
「(ほう、急にやる気を見せたな。教師織斑はあの二人の扱い方を心得ているようだ)」
やる気に満ち溢れていた二人を見ながら内心そう呟くスウェン。
「それでお相手は? 鈴さんとの勝負でも構いませんが?」
「ふふん。それはこっちの台詞」
「慌てるなバカども。対戦相手は―――」
その時、何処からか風切り音聞こえる。それはどんどん大きくなっていきスウェンは空を見る。
「ああああ―――ッ!! どいてくださあ〜〜いっ!!」
上空から“ラファール・リヴァイブ”を見に纏った涙目の真那がまっすぐに一夏の方へ落ちてくる。
「のわああああ!!」
叫び声と共に凄まじい音がグラウンド内に響く。一夏の居た場所はクレータが出来ておりスウェンはそれを見て
「死んだな」
「ちょ! 何勝手に殺してんのよ!」
退避した鈴音が遠くに居たスウェンの言葉を逃さず聞いており、そうツッコむ。そして煙が晴れると白式を纏った一夏が同じく纏っている山田の上に馬乗りになっていた。どうみても一夏が山田を押し倒したようにしか見えない。鈴音は笑顔になり青筋を立て甲龍を展開し
「いぃちぃかぁーー!!」
両刃形態の双天牙月を一夏に投擲。あわや直撃
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ