第二十五話『静かなる怒り』
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を移動手段に!?」
「動きが読める……」
スウェンは鈴音の位置を確認し両手のショーティーを構えビームを連射する。真那もそれに合わせセシリアに射撃を行うが、セシリアは難なくかわす。
だがそれは真那の狙いであり、龍砲を展開した鈴の方に近づける為に誘導していたのだ。セシリアが鈴音に衝突しそうになるが寸前の所で止まる。
そこにスウェンが迫り二人は慌てて距離を離し、鈴音とセシリアの間を通り過ぎる。そしてスウェンは急停止し、両掌を二人に向けアンカーランチャーを撃ちセシリアの右側の非固定ユニットに、鈴音の左足にそれぞれ懸架する。
「なっ!?」
「何ですの!?」
二人が危険を感じた時はもう遅くスウェンはワイヤーを握り、前に向かって投げ飛ばしその勢いのままセシリアと鈴音は激突してしまい、真那はそれを逃さずスウェンの上に移動しグレネードを投擲。爆発が起こる。
煙の中からセシリアと鈴音が出てきてそのまま落下。本日二度目のクレーターをグラウンドに作り上げた。真那とスウェンはゆっくりと地上に降り立つ。
「さて、カルバヤン、山田先生の戦闘を見てどうだった」
「攻撃、防御、回避、そして先を見据えた戦い方。とても参考になるものでした」
「そ、そんな事ありませんよ〜! スウェン君の戦い方も凄かったですし!」
「いえ、俺もまだまだという事です」
「カルバヤンをここまで言わせるほどだ。諸君にも教員の実力が理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」
生徒にそう言い聞かせる千冬。一方クレーターの中でセシリアと鈴音が言い争いをしているが、それは放置する。
「では出席番号順に七つのグループに分かれて実習を行う。各グループのリーダーは専用機持ちがやれ」
その後の授業で三つのグループで黄色い声が上がったのはまた別の話である。
/※/
授業が終わり、教室へ向かっている一夏。丁度角を曲がったところにスウェンが居た。
「よう、スウェ―――」
声を掛けようとしたがそれを止め、身を隠す。何故ならスウェンの目の前にはあのドイツからやって来た少女、ラウラ・ボーデヴィッヒが居たからだ。
「お久しぶりです、隊長。お変わりないようで安心しました」
「ラウラ、俺はもう隊長ではない」
「私の中では、隊長は何時までも隊長です」
「……」
その時のラウラの表情は朝のHRで見せた冷たい表情ではなく、まるで兄を見るようなとても優しい表情をしていた。
「そういえば、俺の後任が決まったらしいな。誰だ? まさかシュハイク責任官では……」
「いえ、私です」
「!?……そうか、お前が部隊の隊長なら皆も
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