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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十七話 戦闘開始
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の奮闘を称えて派手な夜にしてやろうじゃねえか。お前等もさっきからそれを望んでんだろ?」

「さて、如何かな?もしかしたらそういう風に装ってるだけかもよ?」

「ハッ、馬鹿言え。テメエ等さっきからご丁寧に吸血鬼殺しの代物ばっか出してるじゃねえかよ。火の弾薬に銀の地雷たァ……随分準備が良いじゃねえか?」

司狼もティトゥスも共にこれらの武器をヴィルヘルムと戦う前から用意していた。前回の戦いで持っている手札が通用しなかった以上、新たな手を用意するのは当然の事。
そして用意したのは吸血鬼の弱点となりうる武器だった。火、呪い、銀、聖水―――この短時間で生成、或いは用意出来るものは出来る限り用意した。

「いいぜェ、俺を満足させるんならそのくらいの事はしてもらわなきゃ困るんだよ。どちらにせよ夜の俺は不死身だ。足掻いて見せろよ、劣等共」

「ハッ、冗談。不死身なんてもん、そう簡単に有るもんじゃねえよ」

「だねぇ。それに有ったとしてもこんな安売りならいらないね」

司狼は鼻で笑いそれを否定し、ティトゥスはそれを肯定して小馬鹿にする。

「クハ、ハハッハハハハッ―――!テメエ等どれだけ俺を笑わせるつもりだよ。まあ取りあえず座興は仕舞いだ」

空気が変わる。明らかに密度がこれまでと違っていた。空に浮かぶ月はスワスチカの陣によってより幻想的なものとなっており、それは赤く染まり始める。

「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか (Wo war ich schon einmal und war so selig )」

奥底に眠るティベリウスの残滓である聖遺物がまるで打ち震えるかのように蠢きだす。

「あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない (Wie du warst! Wie du bist! Das weis niemand, das ahnt keiner! )
幼い私は まだあなたを知らなかった (Ich war ein Bub', da hab' ich die noch nicht gekannt. )」

幾度となく繰り返されてきた創造。それは他ならぬ彼の創造が優秀であり、勝利を掴んできたが故にである。

「いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう (Wer bin denn ich? Wie komm'denn ich zu ihr? Wie kommt denn sie zu mir? )
もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい (War' ich kein Mann, die Sinne mochten mir vergeh'n. )
何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても 決し
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