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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十七話 戦闘開始
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―――諏訪原タワー―――

その詠唱が謳い上げられ、今度こそ戦いは幕を開ける。

「潰せ、マキナよ。卿が勝てばカールの約定通り私のグラズヘイムから解放してやる」

そう言って現れたのは自らの名も忘れた戦奴だった。彼はこの最後の聖戦の開戦の号砲をあげたのだ。そして触れてはいけない彼のその拳を躱し、その余波によって吹き飛ばされる蓮。
それと同時に橋と教会に衝撃が奔る。飛ばされた二者の決戦も始まりを告げたのだ。

「―――――ッ!?」

「蠱毒の生き損ない同士で喰らいあうが良い。ウロボロスか、カドゥケウスか、同じ蛇でも異なろう。さあ、存在を勝ち取るのはどちらだ?」

三者三様の決戦は今此処に始まる。



******



「俺はお前を殺さぬ限り終われない」

その叩きつけるような殺意は俺を圧倒する。

「創造 (Briah―― )
人世界・終焉変生 (Midgardr Volsunga Saga )」

「―――いきなりかよ」

俺に現状を打開する策は今の所、何一つ存在していない。その気配に様子見や小手調べなどといったものは一切なく全て必殺で行くということをありありと示される。
漆黒に染まる鋼鉄の双腕は大気を震わせ、その不吉な気配は触れれば死を与えるという何よりの証明であると見せ付けられた。
あの絶対的な防御力を誇っていたヴァレリア・トリファですら斃した拳なのだ。その攻撃の必殺性は必然、俺を上回る。

「さあ、行くぞ」

自分の身体を引きちぎるようにして何とか距離を取る。

「――――――なッ!?」

再度、振り下ろされる必滅の拳はまるで俺の回避する位置を分かっていたかのように、一切の無駄なく立ち回って見せた。
何故、と思うがそんなことを考えている場合ではないと同時に思う。

「グッ――――――ああああァァッ……!」

もっと速く、もっと遅らせて、創造を発動している俺がコイツの拳を躱せない筈が無いんだ!

「死ね」

その言葉を聞き悟る。コイツは俺を殺すことしか考えていない。明らかに今までの奴等とは毛色が違った。愉悦も狂騒も使命感も有りはしない。唯一つ機械のように追い求めている。
ふざけるなよ。何の恨みがあるのか知らないが、

俺はお前なんか(・・・・・・・)知らない(・・・・)ッ!!」

その瞬間、何故か身体が消えるかのような感覚に襲われる。次の瞬間、身体が勝手にこうすればよいと機械のように動きマキナを蹴り飛ばした。そして、

『いいえ、知っている筈よ。貴方はそれを忘れているだけ』

突如襲った寒気にも似た感覚、後ろから聞こえた声も、目の前で起き上がるマキナも俺はこれを、置き忘れたかのようなこの感覚に覚えがある。そしてそれを知るのが果
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