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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic2君が差し出す手は私の心を惑わせる〜Reverse:The SuN〜
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きるな〜なんて」

こんな体のわたしの話し相手って、通てる病院の石田先生くらいや。携帯電話の番号やアドレスかて石田先生とか友達やない人や店の物ばかり。寂しい。口には出さへんけど、孤独はやっぱり寂しい。それに心が寒い。ルシリオン君はずっと黙ったまま。どんな返事になるか、わたしはジッと待つ。

「・・・はやて」

「は、はいっ!」

「お世話になります」

ルシリオン君はそう言うてお辞儀した。するとなんでか「へ?」目から涙が溢れて来た。あれ? おかしいな。なんでわたしが泣くんやろ。袖で涙を拭う。あ、そうか・・・これ・・・。

(嬉し涙なんや・・・)

久しぶりに泣いたからかしばらく嬉し涙は止まらんかった。その間、ルシリオン君はずっとわたしの手を握っててくれた。それがまたわたしの心を温かくしてくれて、余計に涙が止まらんくなったもうた。散々泣いたおかげでなんとか涙も止まって、「それじゃあ家に案内するな」ルシリオン君を連れてこうとした。

「あ、その前に荷物を取りに行きたいから、森林公園に向かいたいんだ」

そうゆうわけで一度森林公園に行ったんやけど、ホンマにルシリオン君は樹の上で寝泊まりしてた。一本の樹の真下に来て、ルシリオン君が木登り。それにつられて見上げてみると、私物らしいボストンバッグが樹のてっぺん付近に固定されてた。
ルシリオン君は、その、何と言うか・・・失礼やけどお猿さんみたいに軽快に木を登って、バッグを取って、また降りて来た。そして今度こそわたしの家に向かう。バスに揺られて数分。海鳴市・中岡町に在る自宅に到着。

「ただいま〜」

「お邪魔します」

「はい、どうぞ〜♪」

この家に石田先生や宅配屋さん以外を招き入れるなんて何年振りやろ。ルシリオン君に車椅子を押してもらって、まずはリビングに案内する。ここまで押してもらったことに礼を言った後、「ちょう休んでから他の部屋を案内するな」お茶の用意を始める。

「手伝おうか・・・?」

「ええよ。ルシリオン君はお客さまやしな。ゆっくり休んでてな」

「手伝えることがあれば遠慮なく言ってほしい。居候が何もせずにいるのは、結構肩身が狭いからな」

ルシリオン君は優しいなぁ。でも「今日だけは、わたしにやらせてな♪」張り切って用意を続ける。初めての友達や。家主としても美味しいお茶を振る舞わんとな。これはやりがいがある仕事や!

「どうぞ。日本のお茶やからお口に合うか判らへんけど」

途中で気が付いたけど、家には紅茶もコーヒーも無いから緑茶しか用意できんかった。するとルシリオン君は「緑茶は好きだよ。いただきます」って微笑んで、湯呑みを煽った。綺麗な飲み方やなぁ。ちゃんと片手を湯呑みの底に添えとるし。

「美味しい。・・・はやて。忘れているか
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