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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic2君が差し出す手は私の心を惑わせる〜Reverse:The SuN〜
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まで言って口を噤む。ルシリオン君は言うてた。
――会って間もない子の家庭事情に踏み込むような礼儀知らずじゃないから――
そやからわたしもルシリオン君の事情を訊かへん。でも、もっとルシリオン君のことを知りたいなぁなんて思たりする。そんな考えが顔に出てたようで。ルシリオン君は「はい、もう一匹」魚を釣ってクーラーボックスに入れた後、
「これは独り言なんだけどな」
蓋を閉じて、手摺にもたれ掛って海を眺めた。わたしも車椅子を動かして海の方へ体を向ける。わたしの時と同じ。ならわたしも黙って聴いとかんとな。ルシリオン君は最初に「私も家族は居ない」そう教えてくれた。えっ!?て声が出そうになったけど、口を両手で押さえてなんとか止めることが出来た。
(ルシリオン君にも家族が居らんのか・・・!?)
「家族も居ない。住む家も無い。帰る場所も無い。私はある探し物をするためだけに旅をしているんだ」
「そ・・・んな・・・」
わたしに振り向いたルシリオン君の顔は真剣やった。なんとなくやけど判る。嘘やないことくらい。ルシリオン君はわたしより酷い状態やったんやな・・・。それやのに・・「どうして笑ってられるん?」さっきまでの真剣な顔から、綺麗な笑顔になったルシリオン君に訊ねる。見てるこっちが代わりに悲しくなってまう。わたしは知らずルシリオン君の手を取って握ってた。
「はやてだって先日、笑顔になったじゃないか」
「それはルシリオン君とお話が出来たからで・・・!」
「・・・ありがとう、はやて。私が笑っていられるのは、どれだけ探しても見つけられなかった終わりへと続く道標を、ようやく捉えることが出来たから」
「えっと、どうゆうこと・・・?」
ルシリオン君はただ笑みを浮かべるだけやった。それはまだ話せへんいうことなんやね。
「・・・そう言えばルシリオン君。家が無いって言うてたけど・・・どこに住んどんの?」
釣った魚がご飯のおかずらしいし。わたしの質問に、ルシリオン君は山の方を指すことで答えてくれた。釣られてそっちに目を向ける。確かあの辺りには「森林公園・・・? あそこ・・・?」があったはずや。そう尋ねると、ルシリオン君は「ああ」って頷いた。
「森林公園付近に在る木々の上で寝泊まりしているんだ」
「へぇ、木の上で寝てるんかぁ〜・・・・はあ!?」
木の上で眠ってるて言うたか!? ルシリオン君、サバイバル生活してるんかっ!? いくらなんでも「それはやり過ぎちゃう!?」ルシリオン君、子供としての生活捨てすぎや!
「やり過ぎ? どういう意味だ・・・?」
「探し物のためかも知れへんけど、旅してるから言うんも判るけど、もうちょっと自分のことを考えても・・・!」
「宿代も馬鹿にならないし、それに野
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