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インフィニット・ストラトス 〜天才は天災を呼ぶ〜
第3話
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大臣はISの起動が一切できなかったのである。 詰めかけた報道陣も呆れかえるほどISはピクリともしなかった。

 そうなると疑問は尽きない。



 ??なぜあの時ISを機動できたのか。



 世界各地で様々な議論が交わされる中、各国のトップが出した結論があの急に現れた少女だった。 まぁ、少し考えればわりと誰にでも思いつくことではあるが、各国の著名人たちが集まる会合ではさも『天啓を得たり』といった風情で発表されたのである。
 そこから世界の対応は異常なまでに早かった。 あの会議の映像を解析、少女の身元を特定すると、各国それぞれが彼女を秘密裏に指名手配したのだった。 と言っても、どの国も彼女の詳細な情報を確保することはできなかったのであるが……。
 それでもその容姿の特徴などから日本人であるということだけは確認が取れたので、一斉に動き出した。

 【世界のどの国、どの企業にも知られることなく少女を確保せよ】と……。

 もし彼女が持っていたISが従来の考えをブチ破る【"男"も動かせるIS】だったら……、そしてその製作者が彼女だったら……。 いや最低でも製作者と知り合いではあるだろう。
 その少女を手にした自国に対する恩恵は計り知れないものがある。 支持を失いかけていた各国の首脳たちにとっては逆転の一手でもあった。

 世界各国の首脳陣はそのことを瞬時に計算、そして会議の時に聞いたあの少女の気安い口調から、IS製作者『篠ノ之 束』とは違い扱いやすい人物だろうと、手に入れさえすれば情報の引き出しは容易だ……と、まるでもう少女を自分たちの陣営に引き込んだかのような錯覚に浸っているのであった。










 一方、世界から指名手配された少女は……。

「文化も後進的なこの国で過ごさないといけないだけでも苦痛ですのに、その上サーカスまでさせられるなんてこの"イギリス国家代表候補生"『セシリア・オルコット』を侮辱しておりますわ」
「クヒヒッ、面白いことを言う金髪だなぁ、あッ、だめだ、笑ったら侮辱しちゃうことになっちゃう、う、うぷぷぷぷぷ」
「貴女!!! 私を馬鹿にしておりますの!!!?」
「いや、はは、してない、うぷぷ、しておりませんですぅ……プハッ、ダメだ、うぷぷぷぷ」

 世界のどの国にも属さないとされる場所で、大笑いしていた。

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