第3話
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スをひっくり返しかねない『マルチフォーム・スーツ』 【インフィニット・ストラトス】 通称【-IS-】 を纏う大統領の姿だった。
中世の騎士のような鎧を身にまとい、大きく張り出した推進装置はまるで天使の翼をイメージしたかのようである。 頭上には天使の輪のようにリングを組む無数の光の剣が荘厳な雰囲気を与えている。 背中に背負う超大口径砲撃銃(武装名:アトランティッド・カノンというらしい)が無骨ながら美しい光を放つ。 右の腕に付けられたガントレットから荘厳な光の粒子が溢れ出し、美しさと畏怖を与えると共に、左手に持つ大きなタワーシールドが一片たりとも攻撃を通さないと感じさせる。
そんな美しくも見るものを畏怖させる威圧感を放つISの中心では、未だに物事についていけずに困惑する大統領の姿があった。
「……は?」
「……へ?」
「お、成功成功。 ご協力ありがとうございました。 展開解除しますね」
会場の誰もが驚きの声を上げ、絶句している中、何やら嬉しそうな少女の声が響き渡った。 決して大きくないはずのその声は静まり返った会場には異様に大きな音に聞こえた。
「さてさて、次はっと……」
大統領に展開されていたISをさっさと元の待機状態に戻した少女は皆が見ている前でフッと消えた。 そう、消えたのである。
「総理ぃ〜、これに触ってみてください」
かと思ったらいつのまに移動したのやら某国総理大臣の隣に移動し、大統領の時と同じように気安く声をかけ、先ほど大統領に差し出したものとはまた少し色合いの違うように見えるクリスタルを総理大臣に差し出した。
「う……? うむ……」
あまりの展開の早さに全くついて行けなくなっていた某国総理大臣は、やはりなにも疑問を挟むことなくそれに触れてしまった。
またもや強烈な光が会場を包む。
先ほどが中世の騎士ならこちらは幕末の志士か。 漆黒の羽織に身を包み、腰に長大な刀を履くその姿は従来のISしか知らない各国の首脳陣に驚きを与えるに相応しいものだった。
鎧というものが存在しないのである、……いや、鎧があたかも袴や羽織に見えるように作られていると言ったほうが正しいか……。
歴史を知る者には何をかたどったかわかるだろうが、幕末を駆け抜けた『新選組』と呼ばれる組織をモチーフとした服装、かっちりと着こなしている訳ではなく、胸元を大きく開く等どこかだらしのない様相だが、着崩していると言うわけではなく、あえてそう作られているのだということがわかった。 腰に履く長大な刀は鞘から抜き放たれてさえいないものの、その切れ味を容易に想像させる。 腰付近にささる、最近、戦闘の主流である銃も見た
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