第四十三話
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のメンバーを攻撃すれば《軍》のメンバーの猛攻が始まる――という、グリームアイズの攻撃を二分割させられるパターンが偶然にも完成する。
タンク装備部隊にとって、一番対策すべき防ぐのが難しいブレス攻撃は、こんな時でも単独で遊撃を行うキリトが空中戦を行うことで、グリームアイズのブレス攻撃を誘導することに成功していた。
すっかりグリームアイズはパターンに嵌まっていて、こちらが有利なように見えるものの、ポーションによっての回復を兼ねて全体を俯瞰していた俺には、タンク装備部隊の負担と全体的な火力が不足していることが目立った。
まさにエギルのようなプレイヤーの数が足りず、この中で一番火力があるだろうキリトも、グリームアイズのブレス攻撃を誘導するという、アイツしか出来ないような役割の為に攻撃のチャンスは少ない。
――ならば、俺のやることは一つ。
クナイをグリームアイズの顔へと投げて、わざと奴の注目を引きながら着地したキリトの近くへと走り抜けた。
「キリト。もう出し惜しみしてる場合じゃない……ここは任せて、お前はアレを準備しろ」
「……わかった。十秒だけ耐えてくれ!」
元々の性格や過去の出来事から、出来る限り目立ちたくないキリトは、普通ならば人目につくところであのスキルを使いたがりはしないのだが、俺は偶然にもあの最低のクリスマスで体感した為に知っている。
少し躊躇したようであったが、火力不足であるという俺と同じことを考えていたのだろう、アイテムストレージを操作しながらキリトは後退していく。
ならば俺の役目は、キリトの代わりにグリームアイズと空中で大立ち回りを演じることである。
「任せろよ……ナイスな展開じゃないか……!」
胸ポケットにある《カミツレの髪飾り》を触りながら、本日二度目となる《恐怖の予測線》の発動に、脳と視界がクリアになっていく。
……そして、《恐怖の予測線》がグリームアイズを中心にぐるりと一回転しているように貫いているように気づく。
「全員タンクの側に隠れろ!」
グリームアイズが何をやろうとしているのが《恐怖の予測線》から悟った俺は、力の限りに警告の声を叫んだ。
離れたキリト以外の全員が、俺のボス部屋に響き渡る異様な警告の声に反応してくれたおかげで、先んじてグリームアイズから離れた俺とキリト以外の全員が防御姿勢を整えた直後、グリームアイズの攻撃が全員をまとめて襲った。
その攻撃とは、自分の周囲をまとめてなぎ払うことが出来る大技――いわゆる『回転切り』である。
その回転切りによって、グリームアイズを取り囲んで挟み撃ちにして攻撃していた《軍》のメンバーと《風林火山》メンバー+アスナたちは、タンク装備部隊による防御には成功したものの、すぐには立て直せないほど隊列が崩れてし
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