第四十三話
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の未来の攻撃を見続けて脳と眼を酷使している証拠だろう。
時間経過でまた使えるようにはなるが、当然持続時間は短くなっているし、終了時の頭痛は接近戦の途中では致命的なデメリットだ。
クリアになっていた独特の視界が薄れていき、脳のオーバーロードとアラートのように鳴り響いていた頭痛も収まり、《恐怖の予測線》が見えなくなっていく……ここまでが自分の限界だ。
頭痛でよろめいてしまった俺へと、グリームアイズの大剣が頭上から――
「うおおおおおっ!」
「駄目ぇぇぇぇっ!」
グリームアイズの背後から絶叫と共に白と黒の剣戟が炸裂し、いきなりのバックアタックにグリームアイズは俺への攻撃を中断して自身の背後を仰ぎ見る。
そこにいるのは色が対になっている《黒の剣士》キリトに《閃光》アスナ、そして更に背後からクラインを始めとする《風林火山》がこのボス部屋へと駆け込んでいるのが見て取れる。
「ショウキ! それに《軍》の連中も、今の内に《転移結晶》で脱出しろ!」
「駄目だキリト! ここは《結晶無効化空間》だ!」
第一層から攻略に携わっているキリトとアスナにはなおさら衝撃だろう、彼らの驚きがこちらにも伝わってくるが、グリームアイズはそんな彼らには構わず、今まで一番ダメージを与えていた俺の方へと再び大剣を振り下ろして来た。
「下がれ《銀ノ月》!」
俺の背中方向から良く響く低い声――コーバッツの声に反応してグリームアイズの大剣をバックステップにて避けると、俺と《スイッチ》をして入れ替わるように《軍》のタンク装備部隊がグリームアイズの大剣を防ぎ、ダメージディーラー部隊がグリームアイズの足へと攻撃を叩き込んでいく……さて、どちらに決意が固まったのか。
「もはや退路はない! 今このボスを倒すのだ!」
コーバッツが放った部下を鼓舞するような言葉に一瞬、「何を言っているんだ」と思ったが、俺や《軍》のメンバーたちがいる場所とキリトたちがいる出入り口の間にはグリームアイズが鎮座しているため、《軍》のメンバーの機動力では逃げ終わる前に数人は犠牲になってしまうだろう。
そのことに気づかないで戦っていた自分もどうかと思うが、そのことを一瞬で判断するとは、流石は中佐を名乗るだけのことはある……ということであろうか?
「クラインさん!」
「……やるしかねぇか! 行くぞ野郎ども!」
アスナとクラインの号令一下、あれでも攻略ギルドの中でも指折りの戦略を持っている《風林火山》のメンバーがグリームアイズに向かっていき、《軍》のメンバーとの即席だが挟み撃ちが完成する。
これでグリームアイズが《軍》のメンバーに攻撃すれば、防いでいる間に《風林火山》の猛攻がグリームアイズを襲い、それに反応して《風林火山》
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