第四十三話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
込んでいった。
攻撃とは最大の防御とはよく言ったもので、ここで下手な場所へと逃げて《軍》のメンバーがグリームアイズの標的になってしまうことが、一番の愚策とその結果なのだから。
《恐怖の予測線》を利用して、グリームアイズの振るわれた大剣の横腹に日本刀《銀ノ月》を先程と同じように斬り払いをして軌道を俺からズラし、大地に直撃させてグリームアイズの大剣という名のありもしない『道』を創る。
「……《縮地》!」
グリームアイズの大剣による第二波の予測線が俺を貫く前に、《縮地》によって『道』となった大剣を高速で昇っていく。
俺は《縮地》に足刀《半月》や自身による見切りや斬り払い、さらには《恐怖の予測線》と防御・回避の手段はやたら充実しているが、攻撃方面はダメージディーラー装備のくせに、日本刀《銀ノ月》と威力は期待出来ないクナイしかない……それが、俺が弱い故の恐怖からの逃走を意味しているというのは、PoHととりあえずの決着をつけたあの日まで認めることは出来なかったが。
だが、見切りにも使用する俺のこの『眼』は自慢出来ることの一つであり、少しでもダメージ量を増やすために、弱点については相手がプレイヤーだろうがモンスターだろうが常に観察している。
そのために使うのがクナイであり、時間差で当てられたクナイの一本が、他の部分より少しだけダメージ量が多かったのは見逃さない……!
「そこっ!」
通常通りに戦闘していれば剣などが届かない場所である胸部に、日本刀《銀ノ月》による縦一文字の剣閃がグリームアイズに疾り、《縮地》による勢いも考慮されてか少しはグリームアイズのHPゲージが削れた。
だがグリームアイズも黙ってやられるわけがなく、俺が空中にいて着地する前の身動きが出来ない状況で、噴気ガスによるブレス攻撃を示す《恐怖の予測線》が俺の全身を貫いた……まあ、それも計画通りだが。
前もって準備していたクナイをポケットから出し、噴気ガスを出そうとしているグリームアイズの口に向けてクナイを三本ほど投げ入れた。
良くある話ではあるが、常に一番隠されている口が生物にとって克服出来ない弱点ではないかと考えたために、回避よりもクナイを投げることを優先してみた……のだが、口の中に直撃した筈のグリームアイズに何ら堪えた様子が無いのを見るに、どうやら推測は外れてしまったようだと悟る。
グリームアイズからブレス攻撃が来る前に、急いで着地や否やボス部屋をゴロゴロと転がってなんとか攻撃を避けたのだが、急激な頭痛が俺を内側から襲った。
俺が今使用していた《恐怖の予測線》のデメリット――長時間使い続けていると、急激な頭痛と共に《恐怖の予測線》が見えるモードが強制的に終了してしまうというモノ――予測線によって、『恐怖』という名の三秒後
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ