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ソードアートオンライン VIRUS
終幕
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人は首を縦に振った。

「そう。すぐドクターを呼んでくるからそこで待っててください」

 言うや否やすぐにどこかに行ってしまった。優はすぐさまカウンターから身を乗り出してパスカードを二つ掴み取ると片方を和人に渡した。

「行こうぜ、待ってる暇なんてないだろ?」

「そうだな」

 そう言って優は和人に肩を貸して看護師と逆方向に歩いていく。エレベータは一階に停止していたためボタンを押してすぐに乗り込んだ。上に上がる時の小さな負荷がかかると和人はよろめきそうになるが何とか支える。十二階についてエレベータを降りると和人は言った。

「優、お前はユキのところに行ってやってくれ」

「でも、お前はその身体でアスナのところまで行けるのか?」

「問題ない。お前は早くユキにあって安心させてやれ」

 和人はそう言った。優は何も言わずに頷くとユキのいる病室に向かった。ゲツガはどんどんと足を速める。もうすぐ、もうすぐ、彼女に、ユキに会えるから。ユキのいる病室まで数秒で辿り着く。そして、パスを通してロックを解除すると、僅かな電子音とともに扉は開いた。

 病室からは僅かな香水の香りが漏れる。とても心地よい香り。しかし、この香りと同時に不安がこみ上げてくる。このカーテンを開けるとまだ彼女が眠っているんじゃないか、しかし、優はそんな考えを捨てるように前に進む。カーテンを掴むと勢いよくカーテンを開ける。

 先ほどまで薄暗かった部屋の一部が月の明かりにより明るくなる。ベットには身体を起こして窓の外を眺めている一人の少女がいる。優は話かけようとするが声が出ない。何とか振絞って声を出す。

「……ユキ」

 その声が聞こえたのかゆっくりと振り返る。そしてユキは優を見ると微笑んだ。

「ゲツガ君」

 ユキの声はあの世界で聞いていたものとほとんど変わらず、その声は優にとってはとてもすばらしく感じる。優はすぐにユキの元に行くとベットに腰をかける。そして、ナーヴギアに乗せられた手をゆっくりと取る。その手は痛々しいほど細かったが、優にとっては関係ない。その温もりを感じるように握り締めた。そして、もう片方の腕をユキの後ろに回して抱きとめる。

「ようやく……ようやく終わったんだね……長い……長い戦いが……」

優は自分の目から涙が流れるのに気付く。そしてユキの言葉に答えるように言った。

「ああ、やっと終わったんだ……」

「ゴメンね、ゲツガ君。まだ耳がちゃんと聞こえないの。けど、ゲツガ君の言っている事はわかるよ……」

 そして、身体を離すとユキの目からも涙がこぼれていた。そしてユキは微笑んで言った。

「この世界では、はじめましてになるね。本庄雪乃です」

 優は涙を拭って微笑んで言った。

「ああ、は
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