偽りの神と反逆者
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ゲツガは体が消えるのを自分でも確認できた。しかし、体は動かないし、正直もう駄目だと思った。そして身体が消えて視界がブラックアウトする。何も見えないし、どこかもわからない真っ暗な空間のようだ。とそのとき、声が聞こえる。
『諦めるのか?』
『誰だ?』
『諦めるのか聞いているんだ?』
『諦めたくないに決まってんだろ』
『じゃあ、なぜ抗わない?』
『俺はプレイヤー、あいつはゲームマスター。この世界での強さどころな話じゃない』
『そんなものは関係などないはずだ』
『どういう意味だ?』
『お前はプレイヤーであってプレイヤーでないもの。もちろんゲームマスターでもない。一つのバグだ』
『意味わからない。俺がバグ?』
『そうだ、この世界で現在唯一の不確定因子のバグ存在だ』
『そんなにイレギュラーなのか、俺は?そもそも、ここはどこだ?お前は誰だ?』
『ここか?ここはお前がさっきまでいたVRMMOの中だよ』
『じゃあ、お前は誰なんだ?』
『俺か?俺はウィルスだ』
『……ッ!!』
ゲツガは驚く。まさか、ここで奴らは干渉を行ってくるとは自分でも解らなかったからだ。
『お前はなんなんだ?レストアやコントロール、パス、チェンジャーみたいなそういう名前があるなら言え』
『そんなものはない。だが奴らにはこういわれている。マスターと』
『マスター……つまりお前がウィルスの親玉か』
『そうなるな。奴らを作ったの私だ。そして私の能力の一部をあいつらに分け与えたものだからな』
『……』
ゲツガは一度考える。こいつは出てきたならつまり、まだ何かをさせるつもりなのだろう。こいつの力さえあればユキを助けられる。たとえどんな無茶と思われる対価を払ってでもやってやると考えたゲツガは言った。
『おい、対価はなんだ?俺に力を使わせるためにここに連れて来たんだろ』
『……まあ、違うがお前にはやってもらうことがあるからな』
『やることってのは?』
『今回の対価として要求するのは、私をこの世界に根付かせることだ』
『意味がわからない要求だな。まあいい。その要求をのんでやる。力を寄越せ』
そう言うと指をぱちんと鳴らしたような音が響くといきなり落下する感じに襲われる。するとゴトンと床に激突する。受身を取ろうとしたが腕も脚も動かないせいで何もできなかった。体を見ると腕と脚が切られた状態の体になっていた。そして上から一つのビーダマ大の黒い球体が落ちてきて、目線の位置で止まる。
『さあ、貸してやるよ。全ての力を。助けたければ、その力でお前が憎むべき王の世界を破壊しろ!』
ゲツガはその言葉を聞く前に歯でその球体を破壊した。
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