11話
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いていた。
「ほら、言い争いは終わり」
「すいません」
「へへ。でも兄ちゃんたち、もしかして新人?意外と良い腕だったよ。ちょっとまごついていたけどおれが怪我しないようにしてたし」
「そりゃどうも」
ロイドがいつまで話し込もうとする二人の話を打ち切ってとりあえずここは危険なので地上に戻ることに決めた。
ちょうどここは最深部でロックを外せば直通の昇降機があるはず。
「うんじゃガキ共を送ったら、警察本部に戻るとしますか」
帰ろうとするランディの言葉にリュウとアンリは顔を見合わせた。
「えっと兄ちゃんたち、もしかしてギルドの人じゃない?」
心底不思議そうな顔をする二人。
「ギルドって遊撃士協会のこと?」
「いや、俺たちはクロスベル警察の新人なんだけど」
ロイドとエリィの答えに子供たちは大声を出して仰天した。
「けーさつ!?なんでお廻りがこんなところにいるんだよ」
「任務の途中でお前らを見つけたんだが、そんなに不思議か?」
「だってクロスベルの警察っていったら腰抜けの腑抜け揃いだって有名じゃん」
リュウの言葉にロイドとエリィは絶句した。さらにリュウの言葉は続く。
「態度は横柄で仕事もしないし助けてもくれない税金泥棒で遊撃士のほうが百倍頼りになるって大人はみんな言ってたぞ」
「やっぱり、そうなのね」
ロイドは何も言えず、エリィも半ば予想していたことを突きつけられて苦い顔でポツリと呟くだけで全員が無言になってしまった。
その空気を察したアンリがリュウに警察でも助けてくれたんだから悪いよと言ってくれたが、リュウはギルドの新人に助けてもらったと思ったのにと期待と違ったと落胆していた。
「まあ、ともかくここにいたってしょうがないんだ。帰ろうぜ」
警察の評価が子供にさえ悪く言われるほど酷いことに少なからずショックを受けているようで。まあ二人とも予想していたようでショックというよりは予想通りだったことを改めて突きつけられて落胆したようだった。
リーダーが止まると動けないから急かすかな。
ランディが年上として声出しをしたのだが、その直後、ランディが叫んだ。
「おい、やべえぞ!」
その声を向けた天井から巨大な液体が落ちてきた。
だが、それは地面に落ちても弾けることもなく液体の形状のまま動き出した。
それは3アージュはあろうかという巨大な軟体魔獣だった。
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