11話
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ぎてる」
後衛のティオがやられると背後まで突破されて先が凍り付いたトンファーを振ってティオに後ろに下がるように促したロイドはエリィとティオに指示を出した。
「俺が引き付けるからその間にアーツで攻撃してくれ」
今、導力器にはセルゲイ警部が渡してくれたクオーツが入っている。全員が一応属性違いではあるが攻撃アーツを放てる状態にある。
だが、アーツを放つには導力器を駆動させ詠唱するという手順が必要だった。
意識を集中して目標を確認して放つアーツは高い威力、命中精度を誇ってはいたが同時に駆動時間の長さが問題だった。
慣れることや駆動時間を短くするクオーツなどである程度調整は利くが、新品の導力器では望むべくもない。
それでもアーツの攻撃は物理攻撃の効き辛い魔獣相手には非常に有効である。
「火が使えるわ」「風のクオーツがあります」
自分の導力器にセットされたクオーツを確認した二人は魔獣に向かってアーツを放つべく導力器を駆動させた。
その間、二人の傍にいかないようにロイドとランディは壁役となって注意を引きつつ動きを止めていた。
「一匹ずつ集中的に叩けば良かったんじゃないか?」
戦闘中に助言したり軽口をたたくことが出来るランディを尊敬しつつロイドはまだ息があがりつつも喋る余裕がある自分に驚いていた。
「早く片付けないと子供たちにも危害が及ぶ。ティオにも怪我させたくない」
「お〜御立派。だが、そういうの嫌いじゃないぜ、リーダー」
ふっとお互いに笑って見せた二人は軟体魔獣に攻撃を仕掛けて跳ねた冷たい溶液でジャケットの一部が少し溶かされながら食らわないように攻撃と回避を繰り返し何匹か倒して見せた。
「撃つわ!」
エリィの合図に二人は飛びのくとエリィからは小さな火球が、ティオからは小さな電撃が魔獣に向かって放たれた。
小さな火花と爆発が起こり、命中したりその傍にいた魔獣が動きを止めて溶液が蒸発し核が傷付いて形を保てなくなったのか液体が漏れ出して崩れていく。
「よし。止めだ」
ロイドとランディは崩れた軟体魔獣を殴りつけて止めを刺して行った。
ほんの十匹前後倒すための数分の戦闘だったが、大量の直接攻撃が効き辛い魔獣相手に今までよりキツイ戦いだった。
周囲にもう魔獣の存在がないことを確認するとやっと息をついた。
「リュウ、大丈夫だった?」
「この通り平気さ。お前のほうこそよく無事だったな。おれが助けないと食われちまったかと思ったぞ」
口の減らないやんちゃ坊主という感じのリュウはようやく再会出来た喜びからかついさっきまで魔獣に追い詰められていたことなどなかったかのように能天気に話し始めた。
ランディは二人の様子に調子の良いガキンチョだと苦笑して、お礼ぐらい言えんのかねとぼや
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ