11話
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うの?」
「あ、アンリって言います」
鮮やかに落ち着かせて名前まで聞き出した手並みに感心したランディとティオが小声で「慣れてるな」「小さな兄弟でもいるんでしょうか」と言い合っていると、
「留学先の日曜学校を手伝ったことがあるだけよ」
エリィが答えてそのままなぜこの男の子、礼儀正しく身なりも良いアンリがこんな場所にいるのか事情を聞くことに。
「えっーと、ぼくたちは鐘のところで遊んでたんですけど、そこの蓋を開けたらハシゴがあるのを見つけて、それで」
アンリは鍵の掛かってないマンホールからジオフロントに進入したようで、放置しておくと魔獣が街中に飛び出すかも知れない。
「途中にあったあのマンホールか」
「管理が杜撰です」
「ちょっと待って、『ぼくたち』ってことはほかの子もいるのか!?」
ロイドの指摘に全員がほかの子もいる可能性に気付いて驚いた。
「ええ。友達のリュウが探検しようって言って、でも途中で魔獣に見つかって逃げたらはぐれちゃって」
「ロイド、どうする?」
3人の視線がロイドに集中する中、ロイドは状況を整理した。
これで単なる魔獣の掃討試験じゃなくなった。子供の保護、救出になる。
魔獣が徘徊するジオフロントで魔獣に見つかって逃げたのならこの子と同じように心細いことになっているだろうし悪くすれば襲われて怪我しているかも知れない。
出来るだけ早く保護するのが先決だ。
「この子を連れて奥まで行こう。もう一人の子を保護するのが先決だ」
この判断にティオやランディは疑問を挟んだ。
「この子を先に脱出させなくて良いんですか」「二手に分かれるってのも手だぜ」
「今は一刻を争う。それに戦力分散は得策じゃない」
この答えに二人は納得し、エリィにはアンリの護衛として最後衛を頼むことにしてロイドはアンリにこれからのことを説明した。
「これから君の友達を探しに行く。ここにいたら君も危ないから一緒に連れて行きたい。どうかな?」
「ぼくもリュウのことが心配だから一緒に行きます」
アンリが同意してくれたのでロイドは気を引き締めるために仲間たちに念押しした。
「護衛を守りつつ捜索することになる。これまで以上に慎重に進んでいこう」
これまで通り隊列は前衛にロイドとランディ、後衛にはエリィとティオという形だったが、一番後ろにアンリが付いて来る形になり必然的に進む速度は遅くなった。
「リュウとここに入ったのは1時間ぐらい前です。でも別れたのは30分ぐらい前、でしょうか」
走り回って恐怖に怯えてよくわからないという風で曖昧な答えだったが、少なくともさっきではないということがわかった。
ロイドは進みながら区画を進む毎にアンリの友達であるリ
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