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鋼殻のレギオス 勝手に24巻 +α
一話
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と見ていたりと緊張感の欠片も無い。
「あれって、ニーナですよね」
『そうですね。ニーナ・アントークと見て間違い有りません』
 傍に浮かぶ蝶型の念威端子に問いかけるのはクラリーベル・ノイエラン・ロンスマイア。三王家たるロンスマイア家の人間でツェルニへ家出していたが強引に呼び戻され祖父と同じ天剣『ノイエラン』を与えられた。
 受けて答えるのは先年の戦いで死亡したデルボネの跡を継いだエルスマウ・キュアンティス・フォーア、かつてフェルマウスとしてサリンバン教導傭兵団の念威繰者であった彼女はニーナのことを知っていた。
 一般人には見えない距離まで離れてはいたが、武芸者のクララにははっきりと視認することが出来る。
 ショートカットにした金髪と学園都市ツェルニの制服、そして何より特徴的なのはその手に携えた二本の鉄鞭である。
「あれ、あの娘って廃貴族憑きよね」
「そうですよ、前に陛下が攫って来たじゃないですか。もしかしてもう呆け……っていきなり何するんです、陛下」
 以前リーリンを迎えに行った時、一緒に連れて来た本人である女王に軽口をたたこうとするが、言い切る前に残像が残る勢いでその場から飛びのく。一瞬の後、まだ残像が残るクララが立っていた場所が弾ける。
 並みの武芸者では目にも留まらぬ速度で手を向けたアルシェイラが、銃を形作った指先から衝剄を発射したのだ。
「忘れてなんか無いわよ。でも、あの子を気絶させたのも連れてきたのもリンよ。だって私の両手はリーリンで塞がってたんだもの」
「お前がそうしろと言ったんだろうが」
 責任を擦りつけようとするアルシェイラに苦虫を噛み潰したような顔で文句を言うのはリンテンス・サーヴォレイド・ハーデン、天剣授受者の中でも最強の呼び声高い男だ。
「それにしても随分と変わったものね、なかなか面白い事になってるみたいじゃない」
 リンテンスを無視してニーナに目を戻して呟く。人の言うことを無視するのはいつもの事なので周囲も気にせずその話題を終わったものとして扱う。
 話が終わるや否や飛び出そうとするクララをエルスマウが止める。
『クラリーベル様、そのまま出ては危険です』
「えっ、でもニーナは都市外装備を着てない様にしか見えませんよ」
『確かに隊長は都市外装備を着ていませんが平気みたいですね。ですが外が汚染物質に汚染されている事は確かですし、そのまま出たら焼かれますよ』
 新たな声の主はフェリ・ロス、ツェルニの学生でニーナが隊長を務める第十七小隊の隊員だが、レヴァンティンとの戦いの最中に何らかの方法でグレンダンに来て以来、念威繰者達のネットワークに協力している。同じ寮に住んでいるのでクララとも知り合いである。
「じゃあ急いでスーツを」
「その必要はありません」
 ニーナに追いつくべく都市外戦装備を取りに行こう
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