第15話
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打ちしてきた。
「閣下。敵兵の数が事前調査の段階よりも、大幅に少ない気がします。敵の抵抗も散発的でした事を考慮しますと、大部分の兵力が何処かに移動した可能性があります」
「なに!分かった。ならば、早速聞き出してみるとしよう。少尉は急いで調査を続けてくれたまえ」
「は!了解しました」
一礼してマルギッテ少尉が司令部から退室して行く。私は敵司令官と向かい合う。敵司令官は椅子に座り、静かに私を見上げる。
「司令官殿。我々は当基地を制圧した。だが、我々の想定よりも兵員が少ない様だが、その兵士達は何処に行ったのかね?」
「ふ。私が簡単に話すと思うかね?まあ、最も政府軍内では切り捨てられた立場だ。今更、私が話した内容が戦局に影響しようと構わないさ。中将殿の質問の答えだが、この基地には基地に所属していた兵員の1割しか残っていない。残り9割は全員配置転換されたよ」
基地司令官は力無さそうにそう言って、肩を落とす。私は続けて質問する。
「配置転換?何故かね?海軍の兵士達では陸戦は然程得意ではないはずだが?」
「反政府グループを攻撃するために有効な場所にある、破棄された飛行場の再建にまわされたんだ」
「(いかん!?もしかしたら、飛行場制圧に向かった部隊が窮地に陥る可能性が出てきた!)なに!?何時、移動したのかね?」
私は嫌な予感がしたが、努めて冷静に司令官に訪ねる。彼から返ってきた一言は最悪の事態を告げるものだった。
「昨日の夜だ。この基地が強襲される数時間前のはなしだ。今頃破棄された飛行場に到着する頃だろう。元々、再建の為に駐屯した部隊と合わせれば1万に近くになるはずだ」
「そうかね。分かった。貴重な情報をありがとう。君!彼等を捕虜収容施設に案内したまえ。くれぐれも丁重にな」
「は!司令官殿。此方に付いてきてください」
基地司令以下司令部要員達が部下達に護送されて、司令部から出ていく。私は手の空いている部下にマルギッテ少尉を呼んでくるように伝えてから、地図を見ながら思案を巡らせる。
(さてどうするか。基地の制圧は完了している。今、直ぐに動かせる部隊は我が部隊のみ。だが、飛行場に駐屯している敵との兵力差は5倍か。友軍の増援を待って飛行場の制圧を行えば味方の被害は最小限に押さえられるが、傭兵部隊を見捨てることになる。逆に、手勢で救援に向かえば傭兵部隊を救出できるが、此方の被害も拡大する)
どちらも一長一短だ。傭兵部隊が壊滅的損害を受ければ、傭兵部隊を用いた特殊作戦は一切出来なくなる上に、優秀な人材の多くを失うことになる。逆に救出に向かえば、我が部隊に甚大な被害をもたらし、作戦行動そのものに悪影響を与えかねない。
(うむ〜。せめて、悠斗君が本気で戦ってくれていれば、直ぐに
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