暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第17話 ボマー?ボムボム
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して数分と言った処でしょう。しかし緊張感から、私はそれが数時間に感じていました。

 緊張感から解放され、私は全身の力が抜けるのを感じました。

 それは命の危機が誤解だと知り、緊張の糸が切れたように見えたのでしょう。カリーヌ様が言葉を続けます。

「誤解させてしまった事は謝ります。娘の事で焦っていたとはいえ、配慮が足りませんでした。その様子では、少し休んだ方が良さそうですね。ルイズの魔法を確認してもらうのは、明日にしましょう」

 カリーヌ様の声には、切羽詰まった所が無くなっていました。どうやら、冷静さを取り戻してくれた様です。



 昼食後客室に通され、ゆっくり……とは行きませんでした。ルイズが押し掛けてきて、話相手をさせられたからです。

 暫く話した後、思い立ったようにルイズが言いました。

「そうだ。ギルバート。ちいねえさまのお見舞いに行きましょう」

「駄目ですよ。体調が悪い人の部屋に、押し掛けるのは良くありません」 

 私はやんわりとルイズを窘めます。しかし、ルイズには通用しませんでした。爆弾が返って来たのです。

「ちいねえさまの事、嫌いなの?」

「っ!! ……何故そうなるのですか?」

「だって、ギルバート。……ちいねえさまの事避けてる」

 私は図星を指されて、硬直してしまいました。

 別に私は、カトレア様が嫌いな訳ではありません。ただ、苦手意識があるだけです。

 自分の歪みは認識していますが、人から改めて指摘されると傷つくのです。自覚している……それも気にしている自分の欠点を、改めて人に指摘される感覚と言えば分かるでしょうか?

 もちろんカトレア様の優しさは、マギ知識だけでなく実感として理解しています。カトレア様が認識できる範囲では、私を傷つける様な言葉は控えてくれるでしょう。

 しかし私は、自分がハルケギニアでどれだけ異質な存在かも自覚しています。カトレア様にとって何でもない言葉が、私の心を(えぐ)る様な気がしてならないのです。

「大丈夫よ。……ちいねえさま優しいから」

 ルイズなりに気を使っているのでしょう。カトレア様と私の間を、取り持つ心算の様です。まだ子供のルイズに、ここまで気を使われて頷かない訳には行きません。

「分かりました。お見舞いに行きましょう。しかし、手ぶらと言うのも……」

 カトレア様の体調が良く遊びに行くなら関係ありませんが、お見舞いとなると途端に手ぶらなのが気になってしまいます。

「帽子なんてどうかしら? エレオノールねえさまも羨ましがっていたし」

 考え込んでしまった私に、ルイズが提案して来ました。

「いえ、あれは……」

「あの帽子。ギルバートが《錬金》で作ったのよね」


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