第二十二話 夏休みその六
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「英語は・・・・・・専門の先生に聞いて下さい」
「はい、わかりました」
「それでは」
こうした話をしてからだった。
先生は授業に入った、それは確かにリラックスしたものだった。
この日は英語はなく古典と現国、世界史だった、その授業が終わってから。
琴乃は塾から出る時に四人にこう言った。
「あのね」
「あのねって?」
「どうしたの?」
「いや、古典の先生のお話だけれど」
このことを四人に話すのだった。
「ほら、先生言ってたじゃない」
「阪神な、残念だったな」
「いや、阪神じゃなくて」
美優にこう返す。
「ほら、古典をライトノベルとかブログの感覚でって言ってたじゃない」
「ああ、そっちの話か」
「うん、そのことだけれどね」
「あの話なあ」
「それで授業は枕草子だったじゃない」
清少納言だ、古典の定番の一つだ。
「あれも考えてみればブログよね」
「あっ、だよな」
美優は琴乃の話を聞いてはっとした顔になった、そして右手の人差し指を上から下に振ってその顔でこう言った。
「書いてる内容そのままだよな」
「うん、そうよね」
「春はどうとか書いててもな」
一見すると大層なことが書かれている、だがだというのだ。
「それでもな」
「実際はそういう内容よね」
「ブログだよな」
「ツイッターみたいな場合もあるし」
「徒然草もね」
ここで彩夏も言う、五人でまた横一列になって夕方に近付こうとしている夏の道を歩きながら話していく。
「そんな感じよね」
「あれショートショートのエッセイよね」
「そうでしょ」
こう琴乃に言う。
「読んでみたら」
「源氏物語は恋愛小説で」
ただこの作品は一歩間違えれば恋愛どころか成人指定を受けかねない、その原因はその主人公にある。
「平家物語は戦記もので」
「太平記もよね」
「そうよね。私戦記ものは読まないけれど」
琴乃は彩夏と話をしながら考える顔になって少し俯き腕を組む。
「そうなるわよね」
「そう考えると古典って面白いわよね」
「そうよね」
こう二人で話す、そして。
今度jは里香が現国の話をした、今度の作品はというと。
「ほら、今日の授業の舞姫ね」
「森鴎外のよね」
「現国に思えないけれど」
文章的な問題でそうなっている、森鴎外の作品は書かれた時と作品によって文体が違っているのが特徴の一つだ。
「あれってよく読んだらね」
「ええ、恋愛は恋愛でも」
「酷い話よね」
「そうよね」
琴乃は里香のその言葉に頷いた。
「そういえば」
「ドイツに留学してそこで出来た恋人を捨てる」
里香はそのあらすじを言う。
「しかも妊娠させたうえで」
「あれって本当にあったお話よね」
「そうみたいよ」
「主人公って
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