第十一話
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第十一話 どれだけ飲んでも
華奈子は毎日一リットルずつ牛乳を飲んでみた、だが。
胸は一向に大きくならない、それで美奈子に困った顔で話した。
「胸だけれどね」
「大きくならないっていうのね」
「牛乳飲んでもね」
それでもだというのだ。
「全然大きくならないけれど」
「すぐに大きくなる訳ないわよ」
美奈子はその華奈子にこう話した。
「すぐにはね」
「徐々に、なのね」
「一日で背が伸びるってこともないわよね」
美奈子は華奈子にわかりやすく話した、具体的な例を出してだ。
「そういうことよ」
「ううん、じゃあ」
「毎日ね」
本当に毎日だというのだ。
「毎日牛乳飲んで」
「運動もしてよね」
「華奈子は身体はよく動かしてるからね」
このことは問題ないというのだ、相変わらずスポーツ関係については万能の華奈子である。無論そこにはダンスも入る。
「牛乳を飲み過ぎても太らないから」
「それは大丈夫よね」
「絶対にね。ただね」
ここで言う美奈子だった。
「本当にすぐじゃないし、それに」
「それにって?」
「背が伸びてもいいわよね」
こう華奈子に問うたのである。
「胸より背の方に栄養が優先されるらしいから、牛乳って」
「へえ、そうなの」
「絶対にじゃないし確かなことは私もわからないけれどね
だがそれでもだというのだ。
「牛乳はまず背みたいよ」
「別に背はね」
いいと言う華奈子だった。
「胸に興味があるから」
「どうなるかしら、けれど華奈子がそうするなら」
「そうするなら?」
「私も牛乳飲むわ」
美奈子は考える顔で言った。
「そうするわ」
「何で飲むの?」
「いや、華奈子が胸か背が大きくなって」
それでだというのだ。
「私がそのままだと困るから」
「だからなの」
「今同じ背とスリーサイズだけれど」
それが崩れたら困るというのだ。
美奈子は無意識のうちに華奈子の胸を見た、そのうえで少し思うところがあって牛乳を飲みだしたのである。
第十一話 完
2013・2・18
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