無印編!
なにこれ、誰かの陰謀?
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あれから二年もの月日が経ち、俺たちは小学三年生になっていた。
<ヒリュー、そろそろミアを起こさないと危険です>
二年前の誕生日の翌日から始めた、隣町の隣町まで行くランニングのあと、シャワーで汗を流している最中、誕生日に渡されたデバイスであるダークセリュード、通称ヤミは話しかけてきた。
「あ、もうそんな時間?」
双子の妹である美愛はもう三年生になったというのに、投稿の三時間前に起きないと遅刻ギリギリになってしまうような生活をしていた。
「ん、着替えも終わったし、起こしに行こうか」
<はい、ヒリュー>
そして俺は脱衣所をでて美愛の部屋へ向かった。
ガチャ
「美愛、起きろー!」
<ヒカリ、あなたも起きてください>
俺は美愛、ヤミは美愛のデバイスであるヒカリを起こす。
ヒカリのやつ、デバイスのくせにしっかりと寝てしまい、対して役に立たないのである。ペットは飼い主に似る、とはよく言ったものだった。
「んー・・・あと二時間四十五分三十八秒ぉ・・・」
「細かいっ!」
ガツンっ!
「あう!?」
<はうー、ヤミー、あと地球が二十七周するまで待ってぇー・・・>
<長いです。ヒリュー>
「はいよ」
そう言って俺はヤミを右手に持ち、セットアップはせずに杖だけを出して、言う。
「焔火」
ゴォォォォォォ!
<ぎゃぁぁぁぁぁ!熱い熱い!フレーム溶ける!>
焔火とは、この二年で俺が覚えた魔法の一つで、簡単に言うと火の粉と火炎放射の真ん中くらいの技だ。ヒカリを起こすのによく使っている。
<「起きないヒカリが悪い」です>
<な、仲いいよね、おにーちゃんとヤミって・・・>
<ありがとうございます。最高の褒め言葉です>
そして俺たちはこの二年で日常となった会話をし、母さんと父さんの待つリビングに向かう。
「おはよう、母さん、父さん」
<おはようございます、お父様、お母様>
リビングに入って二人に挨拶をする。
「おはよう陽龍。もうすぐできるから、お皿を出してもらえる?」
今のは俺の実の母、浅賀緒里。実は異世界人。
「はーい」
俺はキッチンに入り、棚に並べられたお皿を出す。
「陽龍」
すると、椅子に座って新聞を読んでいた父さんが俺を呼ぶ。
この父さんは影が薄く、家での地位も一番低い。
「美愛とヒカリはどうした?」
「美愛は殴って起こして、ヒカリは焔火で溶かしといたけど」
と、俺は本当のことを堂々と答える。
「陽龍ー、仮にも美愛は妹だし、ヒカリも人格は女の子なんだから優しく起こせないのか?あ、あと、室内で焔火はやめなさい。家が燃える。この家のローン払ったのは緒里の家族なんだから燃やすようなことはしな
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