第二部
神との遭遇
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!」
少女の体は、無意識のうちに震えていた。目の前に迫る脅威に、唯のか弱い女性である彼女の体が拒絶反応を起こしているのだ。・・・が、まつろわぬ神は、その姿を見て落胆したかのように、溜息を吐きながら首を振った。
『神格を吹き飛ばしてしまっていたのか。憎きお前も、こうなってしまえばただの少女。堕ちてしまったのか。』
「な、にを言って・・・?」
『もう何も言うことはない。消え去れ。』
まつろわぬ神は、手を翳す。しかし・・・
『・・・何と・・・・・・!』
少女とまつろわぬ神の間に、立ち塞がった護堂に、驚愕する。動くことなど出来ない傷だった筈だ。常人ならば、ショック死しかねない傷だった筈だ。今まで気絶していた筈の彼が、自分より遥かに格上の、超常の存在に対して立ち塞がった。
・・・これが、どれほどの奇跡か、分かるだろうか?
「う・・・ぁ・・・!」
ほぼ意識など存在しない。それなのに、彼は立ち上がった。ボロボロの体を酷使して、触れれば滅する獄炎の前に、自分の体を盾として立ち塞がったのだ!
『・・・・・・気が変わった。この少年に免じて、その命、預けておいてやろう。』
そう言うと、その神は自身の体を炎と化してその場から消え去った。一言、少女に言葉を残して。
『お前の神格を取り戻せ。そうすれば・・・助けられるかもしれんぞ?』
そこに残ったのは、傷だらけの護堂と、気絶するエリカ。そして、呆然とする記憶喪失の少女だけであった。
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