転生前の世界
天使と出会いました。
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20XX年。
昔と変わらず平和…と言いたいが、実際そうでもなかったりするこの時代。
国全体がスラム街のような、そんな時代。
そんな世界で、俺は1人の天使と出会った。
「お前、ほんとに天使か?」
そんな疑問が口からこぼれ出てしまう。
目の前の天使はもぐもぐと俺の朝飯の余りを食べている。
「そんなに私が天使に見えないのですか?」
「少なくとも俺には見えないな」
二層式の洗濯機の音が響く。天使が着ていた服を洗濯しているためだ。
そのため、今天使は俺のTシャツと短パンを身につけている。
「この家は、貴方以外誰もいないのですか?」
「ああ、一人暮らしだ」
「寂しい人間ですね。」
少なくともお前に言われる筋合いはねえよ。
俺はベットに腰をおろし、頬杖をつく。
今更だが俺の部屋で天使は飯を食っている。
「そういえば、名前聞いてなかったな。」
「名前? そういうものは貴方から名乗るべきですよ。」
「俺は夜来風樹。」
「フーキさんですか。私はラフィエルといいます。」
そう言って天使…ラフィエルは名乗った。
「この度は助けてくれてありがとうございました。
私から何かお礼でもしたいです。」
「いや別にお礼はいいよ。今の時代は危険だからね」
実際、ラフィエルを見つけた時、弱ったラフィエルに金を求めてたかっていた。
ただ俺は、そいつらをぶん殴って天使を担いで家に帰ったわけだ。
「では、あとで上司に報告しておきます。考えたら今の私ではお礼も何もできないので」
「天使にも上司とか存在するのかよ」
「はい、と言っても神様ですが」
まさかの神様へ報告。俺はそんなことに驚きつつもこれからの生活に悩み始める。
こうして俺と天使の生活が始まった。
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