投刃と少女
とあるβテスター、解禁する
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ったプレイヤー達だけで対処できるはずがない。
唯一例外を挙げるなら、青ざめた顔でそれを見ていた灰色コートの剣士───キリトには心当たりがあるようだった。
だけどこの土壇場で、彼一人でこの大人数を仕切るのは難しい。
それに、例えこの後、この場を乗り切ることができたとしても。ディアベルのようなリーダーの代わりは、そう簡単に見つかるものじゃない。
新規プレイヤーも元βテスターも関係なく、協力して戦っていくという体制を築くためには。自ら集団の先頭に立つ人間が、必ず必要となってくる。
だからこそ、ここで彼を───ディアベルを失うことだけは、阻止しなければならない。
───間に、合えぇぇぇッ!!
それまで使っていた粗末な短剣を放り出し、メニューウィンドウから投剣スキルのショートカットアイコンを選択する。
次いで、腰のホルスターから投擲用ナイフを“四本同時に”引き抜く。
あの“はじまりの日”から一ヵ月。人前では決して使わずに、隠れてスキル熟練度を上げ続けた、僕が《投刃のユノ》であることの証。
ここで以前の戦闘スタイルを見せれば。僕が仲間殺しのオレンジだったということは、もう隠し通すことができない。
部隊はほぼ確実に追放されるだろうし、キバオウなんかはこれ幸いと、『そいつが変な気ぃ起こす前に殺しとくべきや!』とか言い出すかもしれない。
だけど、それでいい。言いたい人には言わせておけばいい。
目の前でやられそうになっている相手を見捨てて、本当の意味での《仲間殺し》になるくらいなら。
《投刃》だろうが何だろうが、僕は僕としてのやり方で、この世界で戦い抜いてやる───!!
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