第2話「マスターの特質はサーヴァントに影響する」
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「な…なな、何故死徒の姫君がここに!?」
召喚に応じた赤い騎士は、僕の隣に立っているアルトを見て酷く動揺していた。
そしてその様子に、僕は何がそこまで彼を怯えさせているのかに興味が湧いた。
例え召喚したのが下級のサーヴァントであっても、過去に名を馳せた英雄には違いない、アルトを一目で危険だと理解しても、それだけで怖じ気つくようなサーヴァントなどいない筈なのだ。
……っていうか反応からして明らかにアルトの事知ってるよね?
「あのさ、突然で悪いんだけどクラス名教えてくれない?」
「あ、ああ君がマスターか。アーチャーだ」
(大当たり引いたぁぁあああ!!!)
僕は内心で強くガッツポーズする。
「そう。じゃあ聞くけどアーチャーは何でアルト……彼女を見て怯えてるの?」
「……生前に左腕をもがれた」
「聞いてごめん」
まあ何というトラウマもの。
思わずアルトを睨み付ける。
しかし、当のアルトはまるで心当たりがないといった様に首を傾げていた。
あ、可愛い……って違う違う!
「アルトは違うって言ってるみたいだけど」
「ふむ、なら平行世界での話だろう。いや悪かった、流石にここの姫君までそんな趣味など」
「やりましてよ」
「……」
アーチャーが黙ってしまったじゃないか。
「じゃあその腕はどうしたの?」
「……魂レベルまで持っていかれてしまってな。しばらくは蒼崎製の義手をつけていた。なに、英霊となった今では元通りだから気にすることはない」
蒼崎製とは多分死徒27祖に登録されている蒼崎青子の事だろう。
彼女は魂レベルの義手、義足を作る天才とまで称されていたから推測は間違っていないと思う。
まずどうしてアーチャーが死徒と二人……いや、会話からしてそれ以上いそうだけど、知り合っているのかいつか問い詰めなくてはならない。
「そう、本題に入るけどアーチャーの真名は?」
ここが、今後聖杯戦争を勝ち抜くためにも知っておかなくてはならない重要な要となる。
どんな英霊と行動を共にするかによって計画が変わってくるからだ。
アーチャーは ふむ、と顎に手を当て少し考えると
「残念ながら、ここでは真名などない。無銘の英霊だからな」
「えーと……どういう事?」
「未来から召喚された英霊だという事だ。衛宮士郎という未熟者が英雄になった姿、それが英霊エミヤ、私だ。故に、過去となるここでは信仰による補正がない」
確かにステータスを見る限り、アーチャーには秀でているものが何一つない。全てにおいて中途半端なランクだ。
しかし、本当にそれだけなのか?
「アルト、未来から召喚されるなんて有り得るの?」
「別におかしくはないわ。英霊の居座る座とは、時間軸から切り離された空間、過
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