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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第59話 実験農場にて
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の中でのアルビオンとトリステインの戦争。確かに、今、攻めなければ、再びアルビオンが聖戦の大義の元に侵略を企てて来る可能性は高いとは思いますから、制海権(制空権)を持って居る内に逆に侵攻を仕掛けて、あわよくば、トリステインに因るアルビオンの統合も視野に入れて居るのも首肯けるのですが。
 まして、ティファニア女王にアルビオンの統治の権利が有るのなら、アンリエッタ王女にも、同じように権利が有りますからね。

 何故ならば、ティファニアとアンリエッタも従姉妹同士と言う間柄ですから。

 尚、麦に蔓延している疫病と言うのは、黒き知恵の女神ダンダリオンの説明に因ると、さび病と言う草に起きるさび病菌と言うばい菌が寄生する事によって起きる病気らしいので、その予防法としては、畑の周囲に雑草を蔓延らせない事が重要らしいです。
 但し、三圃式農業を実行している現在のハルケギニア世界では、休耕地は雑草……と言う括りでも構わない牧草地と成っているので……。

 取り敢えず、ハルファスに、さび病に強い種類の遺伝子操作を受けた小麦が地球世界に有るらしいので、その小麦を調達して貰って、来年からは徐々にこの小麦を植えて行くようにして、更に畑の手入れを小まめに行う事に因って、多少は被害も抑えられるはずです。
 もっとも、来年からは、ジャガイモやトウモロコシなどの穀物も栽培する予定ですから、小麦が不作だからと言って、他のすべてが不作と成る可能性も薄く成ります。これだけでも十分な対策となる事でしょう。

 何事につけても、リスクを分散させる事は悪くは有りませんからね。

 但し、今年の冬を無事に……。飢饉などが起きて民に餓死者が出る可能性は、このハルケギニア世界に存在するすべての国が抱えるリスクです。
 そして、ガリアは既に備えが有りますが、他の国の備えに関して、俺は知りません。

 もし、飢饉などが発生して、その状況を他所目に未だ戦争などを国同士が続けて居た場合。
 逃散から流民、難民化。場合に因っては内乱などの勃発の火種が……。
 まして、イザベラが難しい顔で国庫を開く事に同意したのは、彼女がケチだったと言う訳ではなく、比較的裕福に見えるガリアに対して難民が流入して来る事を懸念しての表情だったと思いますから……。

 それでは、三つ目の話題。

 ガリアからラグドリアン湖の精霊との盟約が為された事が八月の頭に発表されました。
 その後、トリステインのラグドリアン湖の精霊との交渉役と言う貴族がラグドリアン湖の精霊。つまり、俺と契約を交わした湖の乙女の仲間に問い合わせを行った後、それが事実と判明。

 そして、この瞬間が、水のトリステインから水の加護……。少なくとも、ラグドリアン湖の精霊からの加護を失った瞬間でした。

 もっとも、ガリアの方
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