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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第59話 実験農場にて
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の不足が予想されていると言う事は、ほぼ根こそぎ動員が掛けられていると言う事でも有ります。トリステインの人口が大体百五十万人だったと思いますから、兵として動員可能な最大人数は、どう考えても十二万人程度。これ以上、動員して仕舞うと、流石に国自体が成り立たなく成る可能性も有りますから。
 更に、今度のアルビオンとの戦争が、トリステイン側からの侵攻戦と成る事が確実だと言う事にも問題が有ります。
 どうやら、前回のアルビオンからの侵攻時に、アルビオンは、部隊を輸送するべき軍艦の大部分を失ったようで、現在のトコロ、制海権と言うか、制空権はトリステイン側に有るようで、この機を逃さずに、アルビオンの空軍が立て直される前に、トリステインの方は、アルビオン国内に橋頭堡を築きたい様なのですが……。

 この根こそぎ動員を掛けた十二万人で補給線を維持しつつ、アルビオンの国内での戦闘行為を行う。これは、かなり厳しい数字だと思いますね。

 その理由は、アルビオンの総動員兵力がはっきりしませんし、更に、侵略に対する防衛側で有る以上、根こそぎ動員を行える立場にも有る上に、宗教的なバックボーンがアルビオンには存在する為に、どう考えても、トリステインには不利な要因しか存在しないと思うのですが。
 頼りにしているゲルマニアは、ロマリアの教皇の態度如何に因っては、即座に敵と成る危険性が有りますし、ガリアは、イザベラの態度から推測すると、中立の立場を貫き、その間に国内の色々な問題に対処する雰囲気が濃厚ですから……。

 もっとも、前回のアルビオンのだまし討ちにも等しい攻撃に対して、トリステイン国内の雰囲気は貴族に有るまじき卑怯な戦術を使ったアルビオン討つべし、の声が高いのも事実です。故に、国内の好戦的な声に押されてのこの逆侵攻作戦を中止にする事は、流石にトリステイン王家としても出来ないでしょうから……。
 まるで、第二次大戦前の日本のような状況ではないのでしょうか。

 神懸かりに近い勝利を得て、アルビオンを追い返したタルブ防衛戦を国内に広く喧伝を行った結果、国内の世論(=主に貴族の意見)が自らの統制を離れて、アルビオン討伐に傾き、その声を無視出来なく成った王家が、アルビオン討伐に動いたと。
 それに、アルビオンの皇太子とアンリエッタ姫は従兄弟の関係で有り、恋仲でも有ったはずですから……。

 進むも地獄。退くも地獄。それなら、進む方がマシだと考えた結果の、アルビオン侵攻戦だった場合。更に、アンリエッタ王女の私怨による開戦だった場合は……。

 そうしたら次。
 今年は、矢張り、何処の国も麦に関しては凶作と言う雰囲気に成りそうです。
 矢張り、天候が不順で有った事。麦類に厄介な疫病が蔓延していた事が大きな要因と成った事は間違いないようです。

 しかし、そ
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