第二話「運命の出逢い」
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
すね」
暗い空気を飛ばそうと、カリムは話題を変える。
「そうなんや。何でも前の担当者が急に倒れてもうてな。確か、秘封倶楽部っちゅう名前の店が入ることになったんや」
「へえ。おいしい料理が出るのなら、一度行ってみたいですね」
「スタッフの人は、いつ来るのですか?」
「確か、今日やったな」
「そうですか。楽しみですね」
「ほんまやな」
さきほどのまでの話題を忘れ、この後のお茶会はこれからできる新しい食堂の話題へと変わった。
その時だった。
バッシャァァァン!!
何かが噴水に落ちた音が三人の耳に聴こえた。
「行ってみましょう!」
カリムの言葉に、はやてとシャッハは頷き、音の発生源に向かった。
そして現在、彼女らの前には二人の戦士が怪人から守るように立っていた。
「なんや、アレ?」
「バリアジャケット?しかし、魔力は感じられません」
「まさか、ロストロギア!?」
「否定。アレは人間が生み出した『希望』です」
「「「ぬうわああぁぁあああ!!」」」
自分達のそばに、音もなく一人の黒い三角帽を深く被り、いかにも魔法使いです、といった服装で、手には木で出来た等身大の杖を持った、声音から少女と判断した人物の登場に驚く。
「初めまして、参加者の皆々様。知っている方とそうでない方、吾輩の名はジャッジ。怠惰なる神の『遊戯』の審判を務めさせていただきます」
ジャッジは恭しく頭を垂れた後、杖を揺らす。
すると、先端に取り付けられた天秤が揺れ、シャラン、と甲高い音が鳴る。
「今ここに、『遊戯』に『幻想』の参加を認めましょう。よって、『遊戯』を開始いたします!」
高らかに謳うように告げるジャッジの言葉に、はやて達は茫然とする。
彼女らはこの時、予想だにしていなかった。これから巻き起こる災厄で、自分たちの常識が通じないことを。
かくして、これが『魔法』と『幻想』が運命の出逢いを果たし、暇を持て余した神の『遊戯』が開始した瞬間であった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ