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東方リリカル戦記
第二話「運命の出逢い」
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すね」

 暗い空気を飛ばそうと、カリムは話題を変える。

「そうなんや。何でも前の担当者が急に倒れてもうてな。確か、秘封倶楽部っちゅう名前の店が入ることになったんや」
「へえ。おいしい料理が出るのなら、一度行ってみたいですね」
「スタッフの人は、いつ来るのですか?」
「確か、今日やったな」
「そうですか。楽しみですね」
「ほんまやな」

 さきほどのまでの話題を忘れ、この後のお茶会はこれからできる新しい食堂の話題へと変わった。 
 その時だった。

バッシャァァァン!!
何かが噴水に落ちた音が三人の耳に聴こえた。

「行ってみましょう!」

 カリムの言葉に、はやてとシャッハは頷き、音の発生源に向かった。
 そして現在、彼女らの前には二人の戦士が怪人から守るように立っていた。

「なんや、アレ?」
「バリアジャケット?しかし、魔力は感じられません」
「まさか、ロストロギア!?」
「否定。アレは人間が生み出した『希望』です」
「「「ぬうわああぁぁあああ!!」」」

 自分達のそばに、音もなく一人の黒い三角帽を深く被り、いかにも魔法使いです、といった服装で、手には木で出来た等身大の杖を持った、声音から少女と判断した人物の登場に驚く。

「初めまして、参加者の皆々様。知っている方とそうでない方、吾輩の名はジャッジ。怠惰なる神の『遊戯』の審判を務めさせていただきます」

 ジャッジは恭しく頭を垂れた後、杖を揺らす。
 すると、先端に取り付けられた天秤が揺れ、シャラン、と甲高い音が鳴る。

「今ここに、『遊戯』に『幻想』の参加を認めましょう。よって、『遊戯』を開始いたします!」

 高らかに謳うように告げるジャッジの言葉に、はやて達は茫然とする。
 彼女らはこの時、予想だにしていなかった。これから巻き起こる災厄で、自分たちの常識が通じないことを。
 かくして、これが『魔法』と『幻想』が運命の出逢いを果たし、暇を持て余した神の『遊戯』が開始した瞬間であった。

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