第二話「運命の出逢い」
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意味、機動六課はこの事件を解決するために、創設されたとも言えるかもしれない。
この事件を解決した、八神はやてが率いる機動六課は『奇跡の部隊』と呼称されている。
「これです」
カリムが指したページをはやてが読むと、そこには、
『大地の法の塔、数多の海を守る法の船が崩れた地に、救済の使者が舞い降りる。
魔導の力を持つ者は、彼の者を崇め讃え拝めるであろう。
さすれば、真の平穏が世界に訪れよう』
と、記されていた。
「なんやねん、これは……」
カリムの予言は暗喩となっていて、解釈の仕方は千差万別。その事実を知っているはやてだが、思わず声をあげずにはいられなかった。
それほど、予言から終わったと思っていた事件が、まだ終わっていないことを知らされたのショックだったのだろう。
「おそらくですが、ここミッドチルダを指しているのでしょう。地上本部や管理局は、先の事件でてんてこ舞いですからね。救済の使者とは、読んで字の如く何かの災厄から救ってくれる存在を表していると考えられますが、よくは分かりません。魔導の力を持つ者、これは魔導師のことでしょうね。彼の者が何かは分かりませんが、教祖みたいな感じだと思われます。そして、最後の行ですが、これも平和な世界が訪れると言っているのではないかと考えています」
カリムが語る予言の解釈の危機感に、はやては我知らず手に握ったカップに力を入れてしまい、紅茶をこぼしそうになる。
「それで、まだ試験運用期間である機動六課に、この案件に警戒してもらいたいのです。ロストロギアに関係するかもしれませんし、近頃、物騒な事件も頻発しているでしょう?」
「ああ、不可能犯罪やな。一般人では不可能な殺人で、魔力の痕跡の見当たらひんから、魔導師でもない事件やな」
カリムの言葉に、はやては自身が記憶している事件を思い浮かべる。
曰く、陸地で近くに水もないのに溺死、人体が突然発火しての焼死、行方不明となった犠牲者が行方不明になった場所から遠方の地で凍死した事件などなど。
「それとですね、管理局に新たに不可能犯罪の対策専門の機動零課が設立されたそうなんです」
「なんやそれ!?聞いてへんで!」
はやては一部隊の隊長であるという身分にも関わらず、自分でも初耳な情報に驚きを隠せず、大きな声を出してしまう。
「私やカリムも詳しく知らないんです。それに、零課の場所すら分かっていない。つまり、あくまで噂なんですよ」
「ですから、警戒しておくことしか言えないのです」
「分かったわ。六課の方でも話とく」
カリムとシャッハの申し訳なさそうな顔から、戸惑っているのは自分だけでないことに気づき、気持ちを落ち着かせる。
「そういえば、六課の中の食堂が変わったそうで
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