第58話
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なるときには全員が食堂に着席していた。
点呼を取り、食事が運ばれ、食事をとる。
普通に食事を取っていると周りからひそひそと話し声が聞こえてくる。
麻生には聞こえない声だがそれでも、麻生の顔を見てニヤニヤと笑みを浮かべている。
そして、前にいる生徒が麻生に話しかけてくる。
「あら、まだ帰っていなかったのですか?
昨日の食堂から出て行った時は泣きながら帰っているとばかり思っていましたわ。」
その生徒の言葉に周りの生徒はクスクスと笑い始める。
麻生は気にせず黙々と食事を続ける。
「無能力者であるあなたがこの常盤台中学にいる資格なんてないのです。
さっさと自分の高校へ帰るべきではありませんか?」
寮監に聞こえない声で麻生を罵倒する。
だが、麻生は一切反応することなく食事を続ける。
一切の反応を示さない麻生に苛立った生徒は声を荒げて言う。
「何か言ったらどうですの!?」
さすがに声を荒げたので寮監の耳にも届いたようだ。
「そこで何を喋っているのですか?」
声を荒げたので何事かと寮監が聞いてくる。
内容が内容なので言う訳にはいかず、適当にごまかす。
「い、いえ、何も・・・大丈夫です。」
「・・・・そうですか。
食事中ではあまり大きな声で喋らないでくださいね。」
少し疑いの目をしていたが聞いても無駄だと考え、少しだけ注意して終える。
その女子生徒の嫌味事はその後、言ってこなかったが食事が終わるまで麻生を睨んでいた。
食事を終えると、鞄を肩で背負いバス停まで歩く。
麻生がバス停に着くと同時にバスがやってくる。
バスの中は女子生徒しかない。
麻生はもう諦めた様な表情を浮かべながらバスに乗り込む。
席には座らず、じっと窓の外の流れる風景を見つめながらバスが常盤台中学前に着くまで外を眺めていた。
常盤台中学に着くと麻生は職員室に向かう。
昨日貰った資料には授業を初めて受ける、その日に職員室に向かうように書かれていた。
おそらく、麻生が編入する教室などを案内する為だろう。
職員室に着き、ノックをして入る。
常盤台の職員も女性で統一されていた。
一人の職員が麻生が入ってくるのを見かけると近づいてくる。
「あなたが麻生さんですね。
私があなたが編入するクラスの担任の水谷と言います。
よろしくお願いますね。」
年齢は愛穂とそれほど変わらなさそうな黒髪のショートヘヤーの女性が近づいてきた。
右手を差し出されたので握り返す。
「早速、あなたはクラスに移動して貰います。
もうじき、授業も始まりますからね。
さぁ、私について来てきてください。」
水谷という女性先生は職員室から出て行き、麻生もそれに着いて行く。
二階に上がり
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