第一物語・後半-日来独立編-
第二十六章 目指す場所へ《2》
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力も無いよ……」
「拙者の生涯に、……一片以上の悔いあり」
「死亡フラグ立ってないのに皆死んじゃ駄目!」
「まず死ぬこと確定している時点で駄目だとマギト思うんだよねえ」
「冷静な人は死ぬときも冷静だね」
「……継叉が言えたことじゃない……」
「ははは、死ぬってのに皆元気じゃないか」
入直が笑うと、辺りが眩い閃光に包まれた。
つまり主砲が発射してしまったのだ。
このときその場にいた彼らには時が進むのが遅く感じ、同じくして死ぬことを自覚した。
これからというときに冗談じゃ無い、と思うがもうどうにも出来ない。
現実を受け入れるしかなかった。
「去らば世界、去らば未来、去らば私。私は死して恋のキューピッドになり、この世の愛をぶち抜いてやるわ! これまさに失恋!」
「みんな、あきらめちゃだめ――――!」
灯に抱かれながら美琴は叫ぶ。
誰もが死を容易く受け入れ、先程まで気合いの入っていたセーランは既に昇天しかけている。
音が耳に届く前に光に抱かれ、視界は完全に真っ白になった。
終わってしまったのだろうか、途絶えてしまったのだろうか。
否、
『これから始まるのです』
声が聞こえた。優しく、強く、遠くから見守るように。
しかし真っ白になった視界のなかで、耳元でささやかれるようで近くにいるような気がした。
目を覚まさせるような爆音が響き、はっと気が付くと目に見えるのは世界。先程の現実の続きだ。
何が起きたのか、この事態に理解出来ない。
「生きてる、みたいだな」
信じられないことが起き、実感がまだ湧かないがセーランは事実を口にする。
皆は頷き、何が起きたのか疑問に思いながらも徐々に生きている実感が湧いてきた。
「霊族には、なってないみたいだね。だけどどうして生きているのかな。美兎、何かしたのかい」
「いえいえ何もしてませんよ。まず死んだ人を生き返らせることなんて出来ませんから」
「確かに霊族になっているのなら概念現象で影が生
まれないが、私達にはちゃんと影があるな」
地面を見ていたアストローゼが言い、確かにと仲間は思う。
「ところで我が覇王、何やら伝文|《メール》が来ているようですが」
ネフィアがセーランの方を向き、表示されている映画面を見る。
気付いていなかったのか、セーランは驚きながら映画面を操作した。
「何時から来てたんだ? てかこれ送信者不明かよ」
迷惑伝文ではないかと思いがらも、見るだけ見ておこうと伝文を開いた。
操作音が鳴り、伝文を見るや否や黙り混んだ。
そんなセーランの様子が気になって、飛豊は彼を呼ぶ。
「どうしたんだ、急に黙り込んで」
「お、おい……」
まるで恐ろしいものを目の当たりしたように、顔の色が悪く見えた。
「これ見ろ
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