第一物語・後半-日来独立編-
第二十六章 目指す場所へ《2》
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
黒の線が空に現れたとき、空気を叩き付けるような音と共に線を消す砲撃が放たれた。
先程船首に食らったものとは同じだが、威力の差が圧倒的にこちらの方が上だ。極太の砲撃が防御壁を次々と砕き、砕いた数が増えるにつれ速度が落ち威力も落ちた。
そのまま消えると思えた砲撃だが、
『――! 威力増加確認、加護による影響だと判断。左へと反らします』
光が強まり、砲撃は力任せに壁を穿つ。苦し紛れに防御壁を左に斜めさせ防御壁を追加、砲撃の行く先を船上から反らそうとする。
しかしそれを予想していたのか、新たな砲撃が追加された。
上空に一艦存在していたドラゴン級戦闘艦による砲撃だ。
主砲を強化系加護により速度を強化、黒明の主砲を通すように防御壁を斜めから貫くように穿った。
『このままでは防御不可と判断。支給援護を要請します――!』
「長莵神社による対ドレイク級主砲防御壁を緊急発注します。持ちこたえて!」
美兎が援護要請に反応し、新たな防御壁を追加する。
今までは機械人形任せにしていたが、それだけでは手が足りていなかった。
焦る気持ちを抑えるように、表示した映画面を美兎は操作し新たな防御壁を追加発注する。
許可、という文字が映画面に浮かぶと、空に新たな壁が表示された。
紙のように薄いものではなく、まさしく壁と認識出来る厚さのある防御壁だ。
ドラゴン級戦闘艦の主砲により砕かれた間に表示され、黒明の主砲を正面から受け止める。
『流すため防御壁を傾けます――!』
力の込もった言葉を言い、主砲を受け止めている防御壁を左斜めに傾ける。
「船首を傾けた傾斜砲撃なんて、さすが黄森」
手を壁にし、激しい光を放つを見るレヴァーシンクが、目を細めながら言う。
「今は敵を誉めるところではありませんわ。もし防御出来なかったのならこの船に直撃ですのよ」
同じく手を壁にしているネフィアが言うと、再び主砲が光を放った。そして威力が増し、
「時間差による加護の発動だと。駄目だ、防御壁が半分も削られている。主砲の方が一歩上手だ」
「お、黄森本気出し過ぎですよ! 横、皆さん横――!」
点布が左側に指差す。
そこには何時の間にか、黒と黄色の塗装がなされたドラゴン級戦闘艦が斜め上、こちらに向いている。船首に装備されていた鉄鋼装甲を展開し、内部に搭載された主砲を向けた。
主砲の砲口は砲撃発射のため青の光が漏れ、その場にいる三年一組を狙っていた。
「ドラゴン級戦闘艦なら十分に入り込める船と船の間に割り込んだのか。既に手遅れだな」
もう生きることを諦めたトオキダニが、今起きている現実を素直に受け入れる。
「どうにかするネ、まだ死にたくないヨ!」
「リュウも嫌だー」
「僕はこの世から解き放たれ、乳神になる」
「もう兄ちゃんを蹴る気
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ