暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十六章 目指す場所へ《2》
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アルファイトか? コマンド入力は下、右斜め、右に9ボタンでいいな?」
「機械人形は操作出来ないだろ」
「なに――!? それは真か!」
「顔近付けるな、ウザったい」
 入直がサエルの身体を腕で突き放す。
「ウザさが冴える宇瀬・サエルなだけに、ウザさは尋常じゃないね」
「てか兄ちゃん何時の間に戻ってたの」
「今さっきだよ。蹴り飛ばされた辺りの記憶が無くてね、何時から日来は宙に浮いていたんだ?」
 妹ことテイルと言葉を交わしながら、こちらへグレイは歩いてくる。
 近付いてくるグレイに向かって、サエルは彼に人差し指を差す。
「こらグレイよ、それはこの俺に対する宣戦布告だぜ、俺達も一戦交えるか?」
「この僕に勝てるかな、出でよ大いなる衛兵、マチョラ君!」
 呼ばれマッチはグレイとサエルの間に入り、布に隠された顔をサエルに向けた。
 布のなかから鋭い視線を感じ、身体が恐怖から震える。
「く、くそう、怖くなんか……ねえぞ! オラ――!!」
「喧嘩、――駄目!」
 低い声が聞こえ、マッチは平手を放った。
 二メートルを越える巨体から放たれた平手打ちは、勢い任せに放ったサエルのパンチを越え、漢として真剣な顔付きになった顔へぶち当たった。
 結果、サエルは中心に引き込まれるように船の中央へ吹き飛んだ。
「マッチ、コノヤロー、覚えてろ――! お、俺は……強くなんて、ないんだからねっ!」
 言い終わる頃には既に姿は見えなくなった。
「分かってますよー。てか何で最後ツンデレ風に言ったんですかね」
「いいかいロロア、あれが本当のゲーム脳ってやつさ。ああなりたくなかったらゲームは程々にするんだね」
「本当ですか!? ゲーム脳、恐ろしいです」
 何処か違う知識をロロアは得た。
 機械人形の争いは、視線を相手に送るだけで手出しは無かった。視線を戻し、こちらを向く。
『どうやら黒明二艦による連携だったようですね。事態はあまりよろしくないと判断出来ます。早々に辰ノ大花へ向かった方が良いですね』
「そうはしたいが、霊憑山は高度が高いうえに斜面がが急にキツくなるからな。速度を出し過ぎると斜面につまずくことに繋がるんだよなあ」
 困ったように飛豊は言う。
 船首側を見れば霊憑山は視界に映るが、まだ離れているとはいえその巨大な山は圧巻だ。
 天を貫くような山頂は雲により見えず、まるで巨大な壁のように聳え立っている。
「おい、上から加速機の音がするぞ!」
 急にルヴォルフが叫ぶ。
 皆は青の空を眺めるように首を上げた。すると、青の空を覆うように真上に防御壁が幾つも表示され、それが一つの線になるように重なる。
『黒明による主砲攻撃です。上空は非加護領域のため、皆様衝撃にご注意下さい』
 “日来”は両の手を交差させ、防御壁を更に重ねる。

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