フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十二話 父親と母親
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におかしい。桜火の性別は男である。一般的に美人というのは女性に使うほめ言葉である。断じて男性である桜火に使う言葉ではないそれに、桜火はツッコむが陽炎は華麗にスルーする。
「まぁ、いつまで立ってることもないでしょ。せっかく来たんだからゆっくりしていきなさい」
そういって席を立つ陽炎。桜火の分のお茶を用意するために台所に向かう。桜火は陽炎の進言通りソファーに座ることにした。座った場所は陽炎が座っていた場所の左隣である。
「えっと、初めまして・・・月影 桜火です」
「ああ、初めまして。織田 龍一だ。刑事をやってる」
お互いが初めましてなので、ともに自己紹介をする。織田 龍一の職業を聞いた桜火はひそかに細く微笑んだあと、好都合だな、と心の中で呟いた。
「自己紹介は終わったようね」
見計らったかのようなタイミングで陽炎が戻ってきた。桜火の前に緑茶と羊羹を置くともといた場所に座り、再び口を開いた。
「それで、急にどうしたの?」
「ちょっと聞きたいことがあったんだけど・・・もう、聞く必要なくなったんだよね・・・」
桜火の言葉にわけがわからないといったように首をかしげる陽炎。そんな陽炎に桜火は龍一を指差しながら再び口を開いた。
「警察に知り合いがいないか聞きたかったんだよ」
「あー、なるほどね。いるわよ、目の前に」
「ああ。自己紹介してもらって分かったよ」
お茶らけた様に言う陽炎に桜火は頷きながら答える。そのやり取りを呑気に見ていた龍一が今度は口を開く。
「で、俺に何の用があるんだよ?」
「SAO未帰還者について調べたことは?」
「ある。サーバーを維持しているレクト・プログレスの代表に話を聞いたが、開放する手立ては今のところ見つかってないそうだ」
「それって、向こうが一方的に言ってきたのか?」
「ああ、そうだ。俺達が詮索する間もなく、な」
そこでいったん考え込む桜火。そんな桜火を見た陽炎は口を開いた。
「何か思い当たるものがあるの?」
「・・・・・・・・・これは仮説でしかないんだがな」
そういって桜火は自分の心の内で考えていたことを話していく。それを聞いた龍一は信じられないような表情だったが、桜火の仮説は辻褄が合っていなくもなかったので完全に否定することはできなかった。
「もし桜火が言ってることがホントなら大変なことよね」
「ああ。前代未聞もいいところだぜ。それで、お前さんは俺にどうしてほしいんだ?」
陽炎の言葉に龍一は頷くと、今度は桜火に向かって口を開いた。その言葉を受けた桜火は少しだけ考え込んだ後に口を開いた。
「警察の権限で強制的に捜査することはできないのか?」
「無理だな。おまえさんの
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