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第五十二話 父親と母親
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よろしく頼むわ」

「あいよ、任せなって。それはさておき、これからどうするんだ?」

「お袋のところに顔を出す予定だ」

「場所はわかるのか?」

「姉さんに聞いたから大体は。わからなかったらお袋に直接かけるわ」

それから、桜火は社長自らの見送りと共にネクサスを去っていった。別れ際に夜鷹が面白くなりそうだ、と細く微笑んでいたのに気が付いたが、桜火はあえて何も言わなかった。



山手線を使い新宿から池袋まで行き、そこから西武池袋線で練馬駅まで来た桜火。焔に教えられた場所は練馬駅から徒歩で十分くらい歩いたところにある和洋折衷の一軒家だった。今時和洋折衷というのは珍しくもないのだが――

「ここ、でいいんだよな?」

だれにとは言わず誰かに質問してしまう桜火。母親とは入院しているときに見舞いに来てもらってから会っていない。だからこそ、会うのに少しばかり緊張してしまう桜火であった。
意を決して立派な門に備え付けられたインターホンを押す桜火。ピーンポーンと家の中に響く音が聞こえる。その数秒後にインターホンに返答があった。

『はいはーい。どちら様?』

「おれだ、お袋」

オレオレ詐欺か、と言いたくなるような返答だが、どうやら相手には誤解されないで通じたみたいである。

『おおー、桜火じゃない!来るなら来るで連絡してきなさいよね!開いてるから入ってきなさい!』

「へーい」

そして、門を開けて家の中に入っていく桜火。東京にある家に来るのは初めてになるので若干緊張気味で門をくぐる桜火だった。門をくぐった先に見えるのはもちろん母屋であるのだが、少し離れた場所に道場らしき建築物が見えた。が、今は気にすることではないと思い桜火は玄関をくぐって家の中に入っていく。



玄関を上がり、フローリングの廊下を歩いてリビングに行くと厚手のTシャツとジーパンというラフな格好をした女性とスーツを着込んだ年配の男性がソファーに座っていた。

「いらっしゃい、桜火!」

桜火がリビングに入ると女性が笑顔で出迎えた。中性的な桜火の顔立ちを女性っぽくした顔立ちを見た目は二十代後半といっていいほど若々しい。さらには、女性にしては長身で出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいるという理想的な体型が服の上からでもうかがえる。しかし、この若々しい女性こそが焔と桜火の母、月影 陽炎(かげろう)なのである。

「こいつがお前の息子か、陽炎?」

「ええ、そうよ、龍一。私に似てなかなか美人でしょ」

「いや、息子にかける言葉じゃないだろ」

桜火のことを見たスーツの男性が桜火のことを陽炎に尋ねると、さり気に自画自賛しながら息子自慢をするのだがその内容が明らか
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