15*ホームシック
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れば壊れてしまいそうなくらい脆くなったナルミがいた。
「先生…」
「……帰ってくれ、今の自分を見ないでくれ。」
ナルミのベッドの隣のベッドに座りながら、思わず声をかけたシルバに対し、ナルミは力無く反応した。
月明かりに照らされた顔には、充血した眼と涙の跡がある。
「……たんとーちょくにゅうに言う、ナルミは今まで戦争とかで誰かを殺すことは無かったのか?」
シルバの横に座りいきなり核心をつく質問をしたエリザに、シルバは驚きながらもナルミの顔を見て、答えを待った。
しかし、答えは案外あっさりかえってきた。
「…ハハハ、うちの国であった最後の戦争は60年以上前だ、17の自分には無理な話しだよ。しかし…」
やっぱりばれてたか…
渇いた笑いとともにそう言ったナルミは、真っすぐに二人の顔を見て言った。
「……自分の国では、人を殺すのは犯罪だ、いかなる理由があろうとも。」
そして、語り始めた。
二人はそれをただ黙って聞いていた。
彼の国について、家族について、彼が通う学校という施設と唯一の親友について。
ただ、平和な国だった。
しかし、紙一重な平和である。
彼の国で起きる犯罪は、この国では考えられないほど残虐で、他国とのいがみ合いや一瞬で都市を灰にする兵器、腐敗した国の上層部。
剣先に立つよりも難しいバランスで保たれたその日常が彼の強さの秘密なのだと彼女達は考え、言葉を失った。
「……確かに、平和に守られ暮らしてきた自分は誰かを殺した事は無い。しかし、これから生きるために殺さなければならない事になるだろう。けど、そうなった時に自分がマトモでいられる自信が、自分には無い。だから…」
最後に一拍おいて、彼は言った。
「君達に、自分の理解者になって欲しい。自分が壊れそうな時に、支えて欲しいんだ。」
そう締め括り、彼は話しを終えた。
しばしの沈黙が流れた後、最初に喋ったのはエリザだった。
「ふぅむ、複数同時に求婚とは……それもニホンの文化か?」
「はぃ?」
「ふぇっ?」
悪戯が成功したようにからから笑いながら喋るエリザと、予想外の反応に驚くナルミ、それと…
「そ、そんなき、きゅ、求婚だなんて、わ、私に先生が……キャー!!」
真っ赤になりながら奇声を発するシルバ。
もはや完全に自分の世界へとリップしてしまっている。
「い、あ、いやいやいや、まてこら。どこをどうとって求婚なんて……とれ、るか?」
「うむ。これが求婚で無いなら何が求婚か。」
さらにニタニタしながら追い撃ちをかけるエリザ。
「いや、その……わかってるんだろ?自分の言いたいこと。」
「はい!最初は女の子がいいです!!」
シルバの
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