暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
15*ホームシック
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がいままさに自分にのしかかる。

様々な事が重なり、誰にも相談出来なでいる自分はとうとうホームシックにかかってしまった。
これからの事、今までの事、会えない悲しみ、死への恐怖、それらが心で渦巻き、絶望に変わる。




思い出の中の、もう会えない両親や親友の笑顔がより一層自分を悲しくさせ、心に闇が広がっていくのが自分で分かった。


〜エリザ&シルバサイド〜

会議中、放心状態だったナルミは会議が終わるとすぐに食堂とは逆の、宿舎の方向へと向かって歩き出した。
その後ろ姿をエリザは心底心配しながら眺めていた。

「あの技って相当きついんですね。」

いつのまにか出てきた近衛隊のメンバーのうち、ミミリィが誰に言うでもなく呟いた。

それを皮切りに、反動を省みずに仲間を救おうとしたナルミを讃えるように皆話し始めた。

だが、一人だけ違う反応を示す者がいた。

「……いえ、違います。あれは…」

近衛隊の中で、誰よりもナルミを見て、知ろうとしている少女、シルバである。

彼女の発言により、近衛隊の面々は皆、彼女に注目した。

どうゆうこと?
ミミリィがそう聞こうとした時、今まで沈黙を守っていたエリザが口を開いた。

「…あれは…ナルミは今罪悪感に押し潰されそうになっている。多分ナルミは……」

そこで言葉を区切り、近衛隊に向き直って言った。

「多分、今まで誰かを殺すという事をした事が無いのだ。」

ミミリィ達はそれを聞き、唖然とした。
あれだけの力を持ち、一人で七体の魔獣を屠り、5000もの軍隊を打ち倒した者が魔族を殺した事が無い。

ありえない、そう思った。

しかし、考えてみると思い当たる節もある。

盗賊の襲撃も、敵軍を撃破した時も誰一人として死者はいなかった。
皆気絶してはいたが、命に別状は無かった。

何故かと思案していると、エリザが歩き出した。

「シルバ、行くぞ。他の者は隠れてろ。」

「はい。」

それについていくシルバと、慌てる他の隊員達。

「ちょっ、姫様。どこに行くんですか。」

「決まっているだろう。」

リムの質問に、立ち止まり当然と言わんばかりにエリザが答える。

「ナルミの所だ。下手に混乱してるお前らは隠れながら成り行きを見ていろ。私達がなんとかする。」

そして再び颯爽と、歩きだした。


**********※☆

ナルミのいるはずの部屋は明かりもつけておらず、外と同じ漆黒の闇が支配していた。

コンコンッ
ガチャッ

「ナルミ、入るぞ。」

「失礼します。」

「……来ないでくれ。」

その部屋に本人の返事も無視して入った二人が見たのは、いつもよりも弱々しい、それこそ触
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