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清教徒
第一幕その六
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彼女は頷いた。そしてアルトゥーロの方へ一歩出た。
「侯爵、では参りましょう」
「はい」
 アルトゥーロは頷いた。だがここでジョルジョが言った。
「お待ち下さい」
「何か?」
 二人は彼に顔を向けた。
「まだ御父上が来られてません。礼拝堂へ行くのはそれからでよいでしょう」
「そうでしたね」
 エルヴィーラはその言葉にハッとした。
「それではそれまで待たなければ」
「そう。それでは部屋に戻ろうか」
「はい」 
 こうして二人は部屋に戻った。だがアルトゥーロは庭から動かなかった。
「どうされたのですか」
 ジョルジョが彼に問うた。彼はそれに答えた。
「いえ、女性を一人にしてはおけないので」
 そう言ってエンリケッタに顔を向けた。
「伯爵が戻ってこられるまで私はここにおります」
「そうですか。それではお願いします」
「はい」
 こうしてエルヴィーラとジョルジョは庭を後にした。後にはアルトゥーロとエンリケッタだけが残った。アルトゥーロはエンリケッタに顔を向けた。

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