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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
九話 異世界へお出かけ!
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から、車出すね」
「あ、じゃあわたしも準備して一緒に……は、駄目だよね。お兄ちゃんまだだし……」
気が付いたように苦笑して言ったヴィヴィオに、ついでに。と言った風になのはが人差し指を立てて言った。
「そうそう。それに、お客様もまだだしね」
「お客さま?」
ヴィヴィオがそう言った丁度その時、玄関のドアが開く音が響いた。
────
明るい昼前の陽光が差し込み、立ち並ぶ大きな屋敷の壁を黄色く照らす住宅街の中を、二人の人影がテクテクと歩いていた。
「いやぁ、にしてもまさかお前がちゃんと行こうとするとはなぁ……しかも俺まで誘って!」
少し大袈裟な動作でそんな事を言うのは、明るい金髪を揺らした長身の青年。ライノスティード・ドルクである。そのとなりを歩いていたクラナが、ライノの言葉に肩をすくめて答えた。
「別に……ライノは前から行きたいってうるさかったし」
「お、ツンデレか?ツンデレなのか?」
「意味わかんないし……」
面白がるようにいうライノに、クラナは溜め息を吐きながら応じる。
「っはは。ま、クラナにもようやく少しは心の余裕が出来てきたっつー事だな。良いこと良いこと!」
「あのねぇ……」
何とも大ざっぱなその意見に苦笑しつつ嘆息しつつ、そのまま二人は歩き続ける。
「今回行くのって……カルナージっつったっけ?」
「ん?うん」
「どういう所なんだ?」
「……んー……」
ライノの問いに、クラナは少し考え込むように視線を上向けた。クラナが今までに、無人世界(まあ実際は一応有人だが)カルナージを訪れた事は、実は一度もない。色々あって意図的に避けていた性だが、まあしかしだからと言ってあちらに付いて何も知らないかと言われると、実はそうでもない。映像やなんやである程度の知識は有るからだ。
「……まあ、気候も穏やかで目立った危険生物も居ない。典型的な自然観光地、って所かな」
[彼方の方が訓練施設や遊び場、その他必要施設等は用意して下さってますし、滞在中のあれこれにも特に問題なく対応出来るかと]
クラナに続けてアルが答えると、納得したようにライノが頷く。
「なーる。正に理想的な合宿地ってわけね」
[あの高町教導官達が推奨する位ですから、有る意味当然なのかも知れませんね]
ライノに続いたのは、彼のデバイス、ウォーロックだ。と、そんな事を話している内に……
「着いた」
「だなぁ」
クラナとライノは、目的地……高町家の前へとたどり着き、二人は小さく呟く。玄関先まで歩き、ドアを押し開ける。と……
「――さま?」
奥からヴィヴィオの声が聞こえ、既にちびっ子三名が揃って居ることを察しつつ。クラナは内部へと入って行く。
「……ただいま」
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