第8話〜過去の呪縛〜
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人は誰しも知られたくない過去というものを持っている。
俗に言う“黒歴史”と呼ばれるものだ。
そんな歴史を俺も持っている。
そんな歴史は誰しもが忘れたいと願う。
けれど、人とは残酷な生き物で、忘れたいと願えば願うほど、記憶に強く根付く物なのだ。
そして、願い続けると、不意に頭をよぎる。“時間が戻れば”と。
ここまで来れば重症だ。出来ないことを望むようになる。
時間が戻ればと頭の中でそれだけが渦巻き、いもしない神に願いを乞う。
でも、いないものはいないのだ。それに気づかずに願って願って・・・・。
でも、何も言わない、何もしてくれない、そんな神を次は呪うのだ。
何故聞いてくれない、何故なにもしてくれない、と。
そんな無駄なことしても意味がないのに。神などいないのに・・・・。
そんなことにようやく気づき、考え始める。どうすれば、あの過ちを無かったことにできるのか。
どうすれば、あいつが死なずに済んだか・・・と。
しかし、これは“本当の現実”のこと。
今俺がいる世界は“偽りの現実”だ。
そしてこの世界には神がいる。GMという神が。
だが、この神は所詮“偽りの世界”の神である。つまり、一人の人間なのだ。
それ知ったのは、俺の大切な人を・・・・アンズを失った・・・・いや。
殺してしまったあの時・・・・始まった。
現在の最前線は37層。
25層攻略の時に突然現れたユニークスキルである“神聖剣”を使うヒースクリフのおかげで
25層以降の攻略が順調に進んだ。
俺は37層の宿で・・・・・絶望を全身で感じていた。
殺してしまったのだ・・・・・・大切な人を。
「俺は・・・・人を・・・殺したのか」
そんな時、一通のメールが送られてくる。
俺は正直見る気がなかった。そんなことよりも大切なことがあったから。
しかし、そんなこともバンッという扉を開く音に邪魔をされる。
「おい!ライト!メール見たか!?」
そうやって勢いよく扉を開いたのは・・・最近知合ったクラインという男だった。
「・・・・・・・・・・」
俺は無言のまま首を横に振り否を表す。
「じゃあ今すぐ見てみろよ!これは・・・・・」
その言葉に促され俺はメールを見ると・・・・・驚きで顔を歪ませる。
メールの内容はこうだ。
「この世界で生き残っている勇敢なプレイヤーへ
先ずは、ここまでこれておめでとうと言っておこう。
2023年10月14日をもって合計で3000人が死んだ。
これを記念にSAO初のイベントを開催しようと思う。
ランキングはその日の午前5時にメールで上位10名とそのプレイヤーの順
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